みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
8 あなたらしく
週末。
私と祐希くんは近所の公園へとやってきた。
「わあ!広いねえ!」
入口には大きな噴水があって、それを囲むようにたくさんのベンチが並んでいる。
奥には開けた広場があって、わんちゃんと遊んだり、バドミントンをしているひとたちなんかもいる。
夏にはここでお祭りも開かれるんだって!
「あ、クレープの屋台があるよ!」
「食べる?」
「うん!」
私たちはクレープ屋さんでクレープを買って、近くのベンチへと腰をおろした。
「祐希くんはなににした?」
「俺はチョコバナナクレープ。ちとせは?」
「私もチョコバナナクレープ!なんだけど…」
手に持ったクレープを祐希くんの方にじゃじゃーんと見せる。
「なんとキャラメルチーズケーキが乗っているのです!」
「うわっ!なにその豪華仕様!?」
バナナにチョコ、クリームの上に小さなチーズケーキの乗っているクレープ。
「こういうケーキも作ってみたいなぁ!ふつうに小さなケーキを焼いてるのかなぁ、どうやって作ってるんだろう?」
私が食べながらじっくりとクレープを観察していると、祐希くんが笑った。
「ちとせって、ほんと甘い物好きだよなぁ」
「うん!大好き!」
「作ってくれるケーキもいっつもおいしいし」
「えへへ、ありがとう!私、ケーキ屋さんになるのが夢なんだ!」
「ケーキ作りが趣味って言ってたけど、そうだったんだ」
「うん!」
祐希くんはクレープを食べながら空を見上げる。