みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
それからは公園を散歩したり、バドミントンをしたり、おしゃべりして過ごした。
陽がだいぶかたむいてきて、私たちは寮への帰路を歩く。
「ちとせ、今日はありがとな」
「こちらこそ!すっごく楽しかった!」
「俺、少し女の子と話すの慣れてきたかも」
「本当に!?よかったぁ~」
そう言ってもらえると、私もすごくうれしい。
「……ちとせ限定かもしれないけど…」
「ん?なんて?」
祐希くんがつぶやいた言葉は、あまりに小さくて聞き取れなかった。
「いや!俺のままでいいって言ってくれたのはうれしかったけど、もう少しがんばってみるよ、女の子の克服。これからも協力してくれる?」
「もちろん!」
その日から、寮でも祐希くんは私に声をかけてくれるようになった。
いっしょに勉強したり、いっしょにテレビを見たり、おしゃべりしたり。
祐希くんとも、仲良くなれたのかな、って私はまたうれしくなったんだ。