みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい


 朝のホームルームが終わると、机の周りに数人の女の子がやってきた。

「花宮さん、どこから来たの?」「なにか部活入ってた?」「勉強得意?」

 矢継ぎ早に質問が飛んでくる。

 少し驚いていると、ひとりの女の子が間に入ってくれた。

「みんな一気に質問しすぎ。花宮さん困ってるじゃん」

 きれいな黒髪を高く結った女の子は、私を振り返ってにこりと笑った。

「ごめんね、花宮さん。外部からの転入生ってめずらしいの。だからみんな気になっちゃって」

 集まってきた女の子たちは、うんうん、とうなずいている。

「私は、夏野(なつ) さえ。これでも学級委員長だから、わからないことがあったらなんでも聞いてね」

「ありがとう!」

「よかったら今日、お昼いっしょに食べない?そのあとで学園内を案内するよ」

「ありがとう!ぜひお願いしますっ!」

 さえちゃんのありがたすぎる申し出に、私は手を合わせた。

「ここの学食、めっちゃおいしいよ!」

「え!本当に!?」

 さえちゃんの言葉に、私は目をかがやかせる。

「もしかしてデザートもあったりする?」

「あるある!なんかおしゃれなスイーツが出るときもあるよ!」

「スイーツ!」

 さすが全寮制の学校!どんなスイーツが出るんだろう!ケーキもあるかなぁ…。
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