神殺しのクロノスタシス1
血の海と死体の山に囲まれて。
俺は、思った。
誰も、俺を助けることは出来ないんだと。
だって俺を助けようとした人は、皆、皆、皆死んでしまう。
化け物は、死体に囲まれて呆然とする俺に言った。
「全てお前のせいだ」と。
「お前が助けを求めたからだ」と。
「お前が逆らわなければ誰も殺さない。毎月一人、少女の生き血と心臓を、供物として捧げるだけで良い」
「でもそれに従わなかったり、誰かに助けを求めて私を追い出そうとするなら、私は今日のように、大勢の人間を殺してやる」
「今度はもっと、もっと大勢の人間を」
「お前のせいでこれ以上、誰かを死なせなくなったら、私に従え」
「お前は、私のものだ。一生、私の奴隷だ…」
…逆らえない。
だって逆らったら、もっと多くの人が死ぬ。
誰だって、そうするだろう?
毎月一人を殺す。殺したくないのに殺す。それは辛い。とても辛いことだけど。
でも一人を殺さなかったら、百人も、千人も殺す、って言われたら。
そうするしか、ないだろう?
俺は、間違ってないだろう?
辛いけど。助けて欲しいけど。
…俺が助かろうとしたら、また多くの人が死んでしまう。
なら俺は、もう誰にも助けを求めない。
一人で苦しみ続ける。
未来永劫、終わることのない苦しみを。
「それが…正しいこと、のはずですよね…?」
俺は、思った。
誰も、俺を助けることは出来ないんだと。
だって俺を助けようとした人は、皆、皆、皆死んでしまう。
化け物は、死体に囲まれて呆然とする俺に言った。
「全てお前のせいだ」と。
「お前が助けを求めたからだ」と。
「お前が逆らわなければ誰も殺さない。毎月一人、少女の生き血と心臓を、供物として捧げるだけで良い」
「でもそれに従わなかったり、誰かに助けを求めて私を追い出そうとするなら、私は今日のように、大勢の人間を殺してやる」
「今度はもっと、もっと大勢の人間を」
「お前のせいでこれ以上、誰かを死なせなくなったら、私に従え」
「お前は、私のものだ。一生、私の奴隷だ…」
…逆らえない。
だって逆らったら、もっと多くの人が死ぬ。
誰だって、そうするだろう?
毎月一人を殺す。殺したくないのに殺す。それは辛い。とても辛いことだけど。
でも一人を殺さなかったら、百人も、千人も殺す、って言われたら。
そうするしか、ないだろう?
俺は、間違ってないだろう?
辛いけど。助けて欲しいけど。
…俺が助かろうとしたら、また多くの人が死んでしまう。
なら俺は、もう誰にも助けを求めない。
一人で苦しみ続ける。
未来永劫、終わることのない苦しみを。
「それが…正しいこと、のはずですよね…?」