神殺しのクロノスタシス1
「…出来るのかな?俺に」

「あん?」

「殺された人に、恥じないように…生きられるのかな」

そんなことが、もし出来るのなら。

俺は…自分の人生をやり直せるのだろうか?

「当たり前だ!」

ベルフェゴールは、パタパタと羽ばたいて、俺の肩にとまった。

「俺様がついてるんだからな!楽勝だろ!」

…雪刃よりも、一回りも二回りも…それどころか、十回りくらい小さいのに。

その頼もしさは、百倍以上だった。

「…ありがとう。これから宜しく…ベルフェゴール、さん」

「さん付けなんかするなよ。他人行儀だな」

「あ、うん…。じゃあ、ベルフェゴール」

「おう!…で、お前名前は?」

そっちは知らなかったのか。

一番最初に聞くところじゃないのか?

「吐月。吐月・サーキュラス」

「よし、吐月だな!宜しくな吐月!」

起きてしまった過去は、変えられないけど。

未来なら、これからいくらでも変えていけるから。

…多くの人に、助けられた命を。精一杯。




「…生きよう」



















END

< 161 / 669 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop