神殺しのクロノスタシス1
side吐月
──────…その日、授業を受けていた真っ最中に。
羽久さんが、重々しい顔で教室に入ってきた。
そして告げられた。
たった今、この時を以て、イーニシュフェルト魔導学院は一時的に閉鎖されることになったと。
生徒達は、全員学生寮に戻るように、と。
俺も、他の生徒達も驚いた。
そして、俺は怯えた。
事態がここまで深刻化してしまったのかと。
羽久さんの顔を見れば分かった。
俺達学生は、不安の面持ちで学生寮に戻った。
だが、当然大人しくなんてしていられなかった。
生徒達は学生寮のエントランスに集まり、各々不安を口にした。
「なぁ、俺達これから、どうなるんだよ?」
一番多いのは、その質問だった。
誰も答えられないし、未来でも分からなければ答えなど誰も知り得ない。
こんな質問、口にしたところで時間の無駄でしかない。
それでも、誰もが誰もに尋ねずにはいられなかった。
俺でさえ、口には出さなかったものの、同じことを考えていた。
俺は、これからどうなるのか?
いや、俺のことなどどうでも良い。
どうせ拾われた命だ。償えないほどの罪を背負う身だ。俺一人がどうなろうと、大した問題ではない。
でも、イーニシュフェルト魔導学院は。シルナ・エインリー学院長は違う。
これらは、絶対に失われてはならない。
それに。
「故郷に返されるのかな…?」
「えぇ、そんなの困るよ。苦労して合格したのに、今更地元の魔導学校になんて帰れない」
「そうだよ。イーニシュフェルトに来れば、将来は安泰だと思ったのに…」
生徒達は、口々に不安の言葉を並べた。
…ここに通っている生徒は、国内でも選りすぐりのエリートだと聞いた。
この国にとっては大切な財産であり、将来、俺のような犯罪者を止める為に重要な人材になる。
人の未来を奪った俺の未来などどうでも良い。でも彼らの未来は、守らなければならない。
その為に、この学院は不可欠だ。
例え俺が身を呈してでも、シルナさんと、この学院は守らなければならない。
ならば…俺がやるべきことは、何だ?
羽久さんが、重々しい顔で教室に入ってきた。
そして告げられた。
たった今、この時を以て、イーニシュフェルト魔導学院は一時的に閉鎖されることになったと。
生徒達は、全員学生寮に戻るように、と。
俺も、他の生徒達も驚いた。
そして、俺は怯えた。
事態がここまで深刻化してしまったのかと。
羽久さんの顔を見れば分かった。
俺達学生は、不安の面持ちで学生寮に戻った。
だが、当然大人しくなんてしていられなかった。
生徒達は学生寮のエントランスに集まり、各々不安を口にした。
「なぁ、俺達これから、どうなるんだよ?」
一番多いのは、その質問だった。
誰も答えられないし、未来でも分からなければ答えなど誰も知り得ない。
こんな質問、口にしたところで時間の無駄でしかない。
それでも、誰もが誰もに尋ねずにはいられなかった。
俺でさえ、口には出さなかったものの、同じことを考えていた。
俺は、これからどうなるのか?
いや、俺のことなどどうでも良い。
どうせ拾われた命だ。償えないほどの罪を背負う身だ。俺一人がどうなろうと、大した問題ではない。
でも、イーニシュフェルト魔導学院は。シルナ・エインリー学院長は違う。
これらは、絶対に失われてはならない。
それに。
「故郷に返されるのかな…?」
「えぇ、そんなの困るよ。苦労して合格したのに、今更地元の魔導学校になんて帰れない」
「そうだよ。イーニシュフェルトに来れば、将来は安泰だと思ったのに…」
生徒達は、口々に不安の言葉を並べた。
…ここに通っている生徒は、国内でも選りすぐりのエリートだと聞いた。
この国にとっては大切な財産であり、将来、俺のような犯罪者を止める為に重要な人材になる。
人の未来を奪った俺の未来などどうでも良い。でも彼らの未来は、守らなければならない。
その為に、この学院は不可欠だ。
例え俺が身を呈してでも、シルナさんと、この学院は守らなければならない。
ならば…俺がやるべきことは、何だ?