神殺しのクロノスタシス1
荒廃した大地を見つめながら、里の長は小さく呟いた。
「…最早、残る方法は一つしかあるまい」
「…」
「イーニシュフェルトの禁呪を使い、我らの命を糧にして、あの邪神を討ち滅ぼすのだ」
「…禁呪を以てしても、邪神を殺すことは出来まい。精々、長きに渡って封じ込められるくらいが関の山だ」
「それでも良い。それだけ時間があれば、邪神を滅ぼす別の方法を見つけることも出来よう。だから、それまでの時間稼ぎに…我らの命を使うのだ」
「…」
この方法に賛成すれば、皆死ぬ。
術を行う一人を除いて、皆邪神を封じる為の糧として、命を消費されてしまう。
それなのに、誰も反対しなかった。
反対したところで、このままでは一人すら助からないと分かっているからである。
「…して、術を行うのは誰だ?」
「…決まっている。我が一族で最も若く、そして非凡な才能に恵まれた賢者…」
長は、私の方を向き。
手に持っていた『聖宝具』を、私に差し出した。
「邪神を封じ、そして後の世で邪神が再び現れたときは…お前の手で、今度こそ奴を殺す。…誓ってくれるな?」
「…はい」
私は差し出されたその杖を、確かに受け取った。
「…最早、残る方法は一つしかあるまい」
「…」
「イーニシュフェルトの禁呪を使い、我らの命を糧にして、あの邪神を討ち滅ぼすのだ」
「…禁呪を以てしても、邪神を殺すことは出来まい。精々、長きに渡って封じ込められるくらいが関の山だ」
「それでも良い。それだけ時間があれば、邪神を滅ぼす別の方法を見つけることも出来よう。だから、それまでの時間稼ぎに…我らの命を使うのだ」
「…」
この方法に賛成すれば、皆死ぬ。
術を行う一人を除いて、皆邪神を封じる為の糧として、命を消費されてしまう。
それなのに、誰も反対しなかった。
反対したところで、このままでは一人すら助からないと分かっているからである。
「…して、術を行うのは誰だ?」
「…決まっている。我が一族で最も若く、そして非凡な才能に恵まれた賢者…」
長は、私の方を向き。
手に持っていた『聖宝具』を、私に差し出した。
「邪神を封じ、そして後の世で邪神が再び現れたときは…お前の手で、今度こそ奴を殺す。…誓ってくれるな?」
「…はい」
私は差し出されたその杖を、確かに受け取った。