神殺しのクロノスタシス1
「な、何だお前は…」
「離れろ!」
警官達は、必死に拳銃を向けて脅していたが。
あんなもの、二十音の前では、玩具の豆鉄砲ですらない。
「二十音、やめなさい。私は閉じ込められてなんかいないから」
大体君が今そこに、大穴を開けたんだから。
閉じ込められてなんかいない。
「こんな牢屋じゃ、最初から私を閉じ込められはしないよ。わざと捕まってたに過ぎない。それが人間の法律だと思ったから」
これは事実である。
私にとって、こんな鉄格子、自動ドアと同じだ。
出ようと思えば、いつだって出られた。
だが、人間の法律に違反するだろうと思ったから、敢えて捕まっていただけで。
しかし。
「…」
二十音は、私の方を見ようともしなかった。
やっぱり、駄目か。
この子は、「閉じ込められる」ことに強く反応してしまう。
…不味いな。
「…全部、奪う」
二十音は、懐中時計を手に、拳銃を向ける警官に向かって飛んだ。
…仕方がないか。
本気になった二十音を止めるには、こうするしかない。
「…゙悪魔は神を穿づ」
小さく呪文を呟くと。
私が、自身の身体の中に封印していた「秘密の道具」が現れた。
「rustel」
「…!」
二十音の胸に、そっとその魔法をかける。
途端、二十音はぽやんとこちらを見上げて、それから意識を失った。
ドサッと倒れる二十音の身体を支え、優しく抱き締めた。
永遠に、離したくなかった。
「…良いんだよ。君は私を守らなくて」
私が、君を守ってあげるから。
例え世界の全てを犠牲にしても、私の命を犠牲にしても、君だけは助けるから。
その為に私は。
…世界を、裏切ったんだからね。
「離れろ!」
警官達は、必死に拳銃を向けて脅していたが。
あんなもの、二十音の前では、玩具の豆鉄砲ですらない。
「二十音、やめなさい。私は閉じ込められてなんかいないから」
大体君が今そこに、大穴を開けたんだから。
閉じ込められてなんかいない。
「こんな牢屋じゃ、最初から私を閉じ込められはしないよ。わざと捕まってたに過ぎない。それが人間の法律だと思ったから」
これは事実である。
私にとって、こんな鉄格子、自動ドアと同じだ。
出ようと思えば、いつだって出られた。
だが、人間の法律に違反するだろうと思ったから、敢えて捕まっていただけで。
しかし。
「…」
二十音は、私の方を見ようともしなかった。
やっぱり、駄目か。
この子は、「閉じ込められる」ことに強く反応してしまう。
…不味いな。
「…全部、奪う」
二十音は、懐中時計を手に、拳銃を向ける警官に向かって飛んだ。
…仕方がないか。
本気になった二十音を止めるには、こうするしかない。
「…゙悪魔は神を穿づ」
小さく呪文を呟くと。
私が、自身の身体の中に封印していた「秘密の道具」が現れた。
「rustel」
「…!」
二十音の胸に、そっとその魔法をかける。
途端、二十音はぽやんとこちらを見上げて、それから意識を失った。
ドサッと倒れる二十音の身体を支え、優しく抱き締めた。
永遠に、離したくなかった。
「…良いんだよ。君は私を守らなくて」
私が、君を守ってあげるから。
例え世界の全てを犠牲にしても、私の命を犠牲にしても、君だけは助けるから。
その為に私は。
…世界を、裏切ったんだからね。