神殺しのクロノスタシス1
次は、吐月君だ。
「それからもう一つの証拠…。生徒の証言ですが、それも信憑性がなくなりました」
「…どういうこと?」
私は禁忌の魔法の授業なんて行ってないから、元々生徒の証言に信憑性があるはずはないのだが。
「証言をした生徒一人一人に話を聞いてみましたが、彼らは授業を受けたと証言をしている日時は一致しているものの、証言した生徒のうち何名か、その日時に別の場所にいたという記録が残っています」
吐月君は、訓練場の使用記録を、印籠のように掲げた。
「授業と受けたという×月×日の放課後、この生徒は訓練場を使用しています。少なくともこの生徒に関しては、証言の信憑性が疑われますよね?」
「…それは…」
ますます眉間に皺を寄せる元担当官。
「それだけではありません。禁忌の魔法について授業を受けたとされる日時、本当にそんな授業を受けたのかと問い詰めると、全員が曖昧な返事をして、確信が持てなくなっていました」
シュニィちゃんが図書館で話した職員と同じってことか。
成程ねぇ。
これで、彼女がどんな手段を用いて「証拠」を作ったのかが分かった。
「これだけ証拠に不審点があれば、有罪にするのは難しいのではないですか」
「…何故…証言した生徒が分かった?」
「それは…。…今は関係ありません」
吐月君…。
どうやら私の無罪を証明する為に、かなりの無茶をしてくれたらしいな。
シュニィちゃんもだ。きっと危ない橋を渡ってきたのだろう。
私の教え子達が、私の為にここまでしてくれたとあっては。
私も、黙ってはいられないな。
「それからもう一つの証拠…。生徒の証言ですが、それも信憑性がなくなりました」
「…どういうこと?」
私は禁忌の魔法の授業なんて行ってないから、元々生徒の証言に信憑性があるはずはないのだが。
「証言をした生徒一人一人に話を聞いてみましたが、彼らは授業を受けたと証言をしている日時は一致しているものの、証言した生徒のうち何名か、その日時に別の場所にいたという記録が残っています」
吐月君は、訓練場の使用記録を、印籠のように掲げた。
「授業と受けたという×月×日の放課後、この生徒は訓練場を使用しています。少なくともこの生徒に関しては、証言の信憑性が疑われますよね?」
「…それは…」
ますます眉間に皺を寄せる元担当官。
「それだけではありません。禁忌の魔法について授業を受けたとされる日時、本当にそんな授業を受けたのかと問い詰めると、全員が曖昧な返事をして、確信が持てなくなっていました」
シュニィちゃんが図書館で話した職員と同じってことか。
成程ねぇ。
これで、彼女がどんな手段を用いて「証拠」を作ったのかが分かった。
「これだけ証拠に不審点があれば、有罪にするのは難しいのではないですか」
「…何故…証言した生徒が分かった?」
「それは…。…今は関係ありません」
吐月君…。
どうやら私の無罪を証明する為に、かなりの無茶をしてくれたらしいな。
シュニィちゃんもだ。きっと危ない橋を渡ってきたのだろう。
私の教え子達が、私の為にここまでしてくれたとあっては。
私も、黙ってはいられないな。