神殺しのクロノスタシス1
sideクュルナ
─────…カオスと契約していたからとはいえ。
あれだけのことをした私は、当然重い罰を言い渡されるものと思っていた。
その覚悟もしていた。
しかし、私は何故か、あっさりと無罪放免されていた。
「さてと…。無事にクュルナちゃんも解放されたし、帰ろっかー」
「誰もお咎めなしで良かったな」
「本当に」
そう、お咎めなし。
一番裁かれなければならないはずの私まで…。
「それで…クュルナさんは、何処に引き取られるのですか?」
シュニィというアルデン人の女性が、そう尋ねた。
行く宛のない私は、無罪放免されても帰る場所がない。
私の押し付け合いが始まるのかと思いきや。
「良ければ、落ち着くまでうちに来ませんか?小さい子がいるので、少々騒がしいですが…」
「騒がしいけど、でも可愛いぞ!」
「アトラスさん。どや顔をやめなさい」
彼女達の家に?
更に。
「シュニィんとこじゃなくて、うちでも良いぞ!狭いけど!」
「キュレムさん部屋散らかってるじゃないですか…。来るならうちが良いですよ」
「ルイーシュが潔癖過ぎるんだよ」
け、潔癖って…。
それでも、こんな…私のような人間を受け入れようとするなんて。
しかも、学院長までが。
「いやいや。身元引き受け人私だからね?来るならうちだよ。ねぇ羽久」
と、申し出てくれたのだが。
羽久さんはジト目で睨んだ。
「お前ロリコンだから駄目に決まってるだろ」
「酷い!」
「大体もう魔法には関わりたくないって言ってるんだから、学院からは遠ざけるべきだろ。帝都からも離れた方が良い」
「あ、そっか…。じゃあ、私が身元保証人になって、帝都から離れた場所に家でも借りようか」
帝都から離れ。
魔導師ではなく、普通の人間として暮らす。
私にとっては、とても魅力的な誘いのはず。
しかし…心の中に、もやが残っていた。
「でも残念だよなぁ。クュルナって相当手練れの魔導師なんだろ?聖魔騎士団に来れば、戦力になっただろうに…」
残念そうにキュレムさんがそう言って、私はドキッとした。
そうだ。この人達は…皆、聖魔騎士団魔導部隊の魔導師なんだ。
「こら、キュレム。余計なことを言うな」
すかさず羽久さんが注意した。
「わ、分かってるよ。ちょっと言ってみただけだよ」
「…クュルナ。気にするなよ。自分の好きなように生きれば良いんだ」
「…はい」
自分の、好きなように。
私の…好きなように生きるのなら。
あれだけのことをした私は、当然重い罰を言い渡されるものと思っていた。
その覚悟もしていた。
しかし、私は何故か、あっさりと無罪放免されていた。
「さてと…。無事にクュルナちゃんも解放されたし、帰ろっかー」
「誰もお咎めなしで良かったな」
「本当に」
そう、お咎めなし。
一番裁かれなければならないはずの私まで…。
「それで…クュルナさんは、何処に引き取られるのですか?」
シュニィというアルデン人の女性が、そう尋ねた。
行く宛のない私は、無罪放免されても帰る場所がない。
私の押し付け合いが始まるのかと思いきや。
「良ければ、落ち着くまでうちに来ませんか?小さい子がいるので、少々騒がしいですが…」
「騒がしいけど、でも可愛いぞ!」
「アトラスさん。どや顔をやめなさい」
彼女達の家に?
更に。
「シュニィんとこじゃなくて、うちでも良いぞ!狭いけど!」
「キュレムさん部屋散らかってるじゃないですか…。来るならうちが良いですよ」
「ルイーシュが潔癖過ぎるんだよ」
け、潔癖って…。
それでも、こんな…私のような人間を受け入れようとするなんて。
しかも、学院長までが。
「いやいや。身元引き受け人私だからね?来るならうちだよ。ねぇ羽久」
と、申し出てくれたのだが。
羽久さんはジト目で睨んだ。
「お前ロリコンだから駄目に決まってるだろ」
「酷い!」
「大体もう魔法には関わりたくないって言ってるんだから、学院からは遠ざけるべきだろ。帝都からも離れた方が良い」
「あ、そっか…。じゃあ、私が身元保証人になって、帝都から離れた場所に家でも借りようか」
帝都から離れ。
魔導師ではなく、普通の人間として暮らす。
私にとっては、とても魅力的な誘いのはず。
しかし…心の中に、もやが残っていた。
「でも残念だよなぁ。クュルナって相当手練れの魔導師なんだろ?聖魔騎士団に来れば、戦力になっただろうに…」
残念そうにキュレムさんがそう言って、私はドキッとした。
そうだ。この人達は…皆、聖魔騎士団魔導部隊の魔導師なんだ。
「こら、キュレム。余計なことを言うな」
すかさず羽久さんが注意した。
「わ、分かってるよ。ちょっと言ってみただけだよ」
「…クュルナ。気にするなよ。自分の好きなように生きれば良いんだ」
「…はい」
自分の、好きなように。
私の…好きなように生きるのなら。