神殺しのクロノスタシス1
クュルナが、一体何でここにいる?
「ぬぁ!?君王都から出てったんじゃなかったの?」
キュレムもびっくりである。
「はい。そのつもりだったんですが…」
「何で、戻ってきた?」
「…私も、聖魔騎士団魔導部隊に入れてもらいたいと思いまして」
…何だと?
今、何て言った?
「入隊試験があるのなら、私、受けます。禁書との契約が解けても、そこそこの実力はあることを証明…」
「いや…そこは全く心配してないけど」
カオスの力を差し引いても、クュルナの実力は本物だ。
俺やシュニィと良い勝負が出来るくらいの実力はある。
しかし。
「魔法はもう使わないって言ってたじゃないか。魔導部隊に入ったら、どうやっても魔法は使わなきゃならないんだぞ?」
魔法を使わず、過去に折り合いをつけて生きていくんじゃなかったのか。
それなのに、何故また自らトラウマを彷彿させるようなことを…。
「…分かっています。でも私は…新しい目標を決めたんです」
「…目標?」
それは、辛い過去から身を守ること以上に大切なものなのか?
「はい。私は私の力で、今度こそ私の守りたいものを守ります。泣いているだけじゃ、前には進めませんから」
「…前に進むことが、正しいこととは限らない」
時には立ち止まって、涙を流しても良いはずだ。
それが出来る人間こそ、真に強い人間だと言えるんじゃないのか。
「分かっています。でも、もう決めたんです。私は魔導師として、生きていきます」
クュルナは、きっぱりとそう言った。
もう、決意を固めているらしい。
そこまで言うのなら止めないが…しかし…。
「…で、俺の部隊に入りたいってのは、何で?」
「え、いえ、それは、その…。あなたの傍に…」
さっきまで、あんなにハキハキと話していたのに。
何故か、突然しどろもどろになった。
…何で?
しかもそれを見たキュレムが、にま~とし始めた。
「ふひっ。これは恋のよか、もごもごもご」
「はいはいキュレムさん野暮ですからねー。ちょっと黙りましょうねー何なら永遠に黙ってましょうね」
「もごー!」
…この二人は何をやってんの?
「傍に…?って?」
「その、ですから…。そう、あなたの力になりたいんです。過去の楔から解き放ってくれたのはあなたですから。あなたに恩返しがしたくて…」
恩返し…。
別に返してもらうような恩を売ったつもりはないのだが。
「…と言っても、クュルナの実力なら、下につくんじゃなくて普通に大隊長になれると思うから、下にはつけないぞ」
「え、そうなんですか…」
ちょっとがっかりしてるクュルナ。
何でがっかり?嬉しいだろう大隊長。
「とにかく…そういうことなら、これから宜しく。クュルナ」
「…はいっ…。宜しくお願いします」
こうして、聖魔騎士団魔導部隊に、新たな仲間が増えた。
END
「ぬぁ!?君王都から出てったんじゃなかったの?」
キュレムもびっくりである。
「はい。そのつもりだったんですが…」
「何で、戻ってきた?」
「…私も、聖魔騎士団魔導部隊に入れてもらいたいと思いまして」
…何だと?
今、何て言った?
「入隊試験があるのなら、私、受けます。禁書との契約が解けても、そこそこの実力はあることを証明…」
「いや…そこは全く心配してないけど」
カオスの力を差し引いても、クュルナの実力は本物だ。
俺やシュニィと良い勝負が出来るくらいの実力はある。
しかし。
「魔法はもう使わないって言ってたじゃないか。魔導部隊に入ったら、どうやっても魔法は使わなきゃならないんだぞ?」
魔法を使わず、過去に折り合いをつけて生きていくんじゃなかったのか。
それなのに、何故また自らトラウマを彷彿させるようなことを…。
「…分かっています。でも私は…新しい目標を決めたんです」
「…目標?」
それは、辛い過去から身を守ること以上に大切なものなのか?
「はい。私は私の力で、今度こそ私の守りたいものを守ります。泣いているだけじゃ、前には進めませんから」
「…前に進むことが、正しいこととは限らない」
時には立ち止まって、涙を流しても良いはずだ。
それが出来る人間こそ、真に強い人間だと言えるんじゃないのか。
「分かっています。でも、もう決めたんです。私は魔導師として、生きていきます」
クュルナは、きっぱりとそう言った。
もう、決意を固めているらしい。
そこまで言うのなら止めないが…しかし…。
「…で、俺の部隊に入りたいってのは、何で?」
「え、いえ、それは、その…。あなたの傍に…」
さっきまで、あんなにハキハキと話していたのに。
何故か、突然しどろもどろになった。
…何で?
しかもそれを見たキュレムが、にま~とし始めた。
「ふひっ。これは恋のよか、もごもごもご」
「はいはいキュレムさん野暮ですからねー。ちょっと黙りましょうねー何なら永遠に黙ってましょうね」
「もごー!」
…この二人は何をやってんの?
「傍に…?って?」
「その、ですから…。そう、あなたの力になりたいんです。過去の楔から解き放ってくれたのはあなたですから。あなたに恩返しがしたくて…」
恩返し…。
別に返してもらうような恩を売ったつもりはないのだが。
「…と言っても、クュルナの実力なら、下につくんじゃなくて普通に大隊長になれると思うから、下にはつけないぞ」
「え、そうなんですか…」
ちょっとがっかりしてるクュルナ。
何でがっかり?嬉しいだろう大隊長。
「とにかく…そういうことなら、これから宜しく。クュルナ」
「…はいっ…。宜しくお願いします」
こうして、聖魔騎士団魔導部隊に、新たな仲間が増えた。
END