神殺しのクロノスタシス1
署長から、事件について簡単に説明を受け。

次に、警察が現段階で分かることをまとめたという、失踪者四人に関する資料を受け取った。

詳しいことはこれで確認して欲しい、と。

今後の捜査についてはそちらに一任する、とも。

まぁいちいち警察と連携するのも面倒だし、お互い立場も違うし、それはむしろ有り難い。

ルイーシュはひねくれてるから、「俺達に丸投げですか」とぶつくさ文句言ってたが。

そんなルイーシュを引っ張って連れてきて、早速もらった資料を確認した。






「ふーむ…」

この資料によると。

失踪事件が偶然、もしくは家出の類でなく、事件性があるとしたら。

まずは、この四人の共通点を確認するべきだろう。

そして明らかになった、四人の共通点は。

「…まずは、性別だよな」

「あとは年齢ですね」

そう、年齢。

シュニィからは20代の男性、とだけ聞いていたが。

この四人、実は年齢が全員同じなのである。

全員28歳。

成程、なんかありそうだな~と思うけど。

しかし。

「…他に共通点が見当たらないな…」

性別、年齢は共通しているが、それだけ。

他にも、考えられるとしたら。

「このJさんKさんMさんは中学校が同じだから、知り合いだったみたいだけど…。Lさんは中学校違うし」

「…この三人の誰かの知り合いだったんじゃないですか?」

「まぁその可能性はある」

Lさんは出身校が違うけど…少なくとも他の三人は、全員顔見知りだった。

その三人の誰かがLさんを紹介していれば、あるいは何らかの方法で知り合っていれば、この四人は全員、顔見知りだったことになる。

で、その四人が揃って行方不明…。

…成程。事件性の訳ありの匂いがぷんぷんする。

「…とにかく、資料を前に唸っててもしょうがねぇ。まずは動こう」

「何するんですか?」

「この三人の出身校に行ってみよう」

「行って何するんですか?」

こいつと組んで刑事ドラマやったら、間違いなく事件は解決しないな。

行動力皆無なんだもん。

「俺だってアクティブなタイプじゃないんだからさ。やる気削がれたらマジでやる気なくなるから、やめてくれない?」

「もー…。仕方ないですねぇ…」

何で渋々なんだよ。

まぁ動いてくれるのなら良い。

俺達は、シャネオン市内にある三人の出身校に向かった。
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