神殺しのクロノスタシス1
この試験では、同じ学年の生徒が二人一組になって、全校生徒トーナメント形式で模擬戦をする。
優勝すれば全校生徒の前で表彰され、学院長からトロフィーを授与される…の、だが。
私はこれまで、一度も授賞したことはなかった。
それどころか、ベスト16にすら残ったことすらなかった。
精々、一回戦だけ勝てるくらい。
一回戦負けしたこともあるし、二回戦を突破したことは一度もなかった。
言い訳はしたくないが、私が勝てないのは、恐らく私のペアのせいだ。
ペア決めの際、私は毎回余り物になった。
アルデン人とペアを組みたい人なんているものか。
仕方なく、私は最後まで余った結果、誰もペアを組んでくれない落ちこぼれの生徒と組まされることになる。
毎回これだ。
それでも、戦術次第では何とか勝ち上がれるかもしれないのだが。
あの頃の私には、協調性なんてものは欠片もなく。
ペアとなった相手と戦術を話し合うこともせず、練習試合もせず、ぶっつけ本番で挑んでいた。
そりゃあ当然負ける。
ペアの子も、私とはあまり関わりたくなかったらしく。
向こうから話し合いを提案してくることもなかった。
ただ、避けられない学校行事の一環だから仕方なく、といった風だった。お互いに。
そして。
いつも通りペアのいない私に押し付けられた、今年の余り物。
それが、アトラスさんだった。
「ん…?お前、一人か?まだペアがいないのか」
彼は、まだ余っている人がいないかときょろきょろしていた。
そして、私を見つけた。
「えぇ…。一人ですけど…」
「そうか、なら、一緒に組もう。宜しくな」
一緒に組もうも何も、消去法で私達が組むしかないと思うのだが。
彼は自分が余り物ペアにされたことなんて、全く気にしていないようだった。
きっと内心、アルデン人がペアかよ、と舌打ちしていたんだろうと、あの頃は思っていたが。
後になって思えば、そんなつまらないことを気にする人ではない。
「俺はアトラス・ルシェリート。お前は?」
「私は…シュニィです」
相変わらず、名乗るべき名字がないのが恥ずかしい私である。
「シュニィか。宜しく」
アトラスさんは、気にすることなく手を差し出した。
それが握手を求める手だと気づいて、私は驚いた。
自分からアルデン人に触ろうとするなんて、今まで学院長以外にはいなかったから。
一体この人は何を考えてるんだろう、何のつもりなんだろうと思いながら。
恐る恐る手を差し出すと、アトラスさんは私の手をしっかりと握ってきた。
私はびっくりしたが、お構いなしのアトラスさんであった。
優勝すれば全校生徒の前で表彰され、学院長からトロフィーを授与される…の、だが。
私はこれまで、一度も授賞したことはなかった。
それどころか、ベスト16にすら残ったことすらなかった。
精々、一回戦だけ勝てるくらい。
一回戦負けしたこともあるし、二回戦を突破したことは一度もなかった。
言い訳はしたくないが、私が勝てないのは、恐らく私のペアのせいだ。
ペア決めの際、私は毎回余り物になった。
アルデン人とペアを組みたい人なんているものか。
仕方なく、私は最後まで余った結果、誰もペアを組んでくれない落ちこぼれの生徒と組まされることになる。
毎回これだ。
それでも、戦術次第では何とか勝ち上がれるかもしれないのだが。
あの頃の私には、協調性なんてものは欠片もなく。
ペアとなった相手と戦術を話し合うこともせず、練習試合もせず、ぶっつけ本番で挑んでいた。
そりゃあ当然負ける。
ペアの子も、私とはあまり関わりたくなかったらしく。
向こうから話し合いを提案してくることもなかった。
ただ、避けられない学校行事の一環だから仕方なく、といった風だった。お互いに。
そして。
いつも通りペアのいない私に押し付けられた、今年の余り物。
それが、アトラスさんだった。
「ん…?お前、一人か?まだペアがいないのか」
彼は、まだ余っている人がいないかときょろきょろしていた。
そして、私を見つけた。
「えぇ…。一人ですけど…」
「そうか、なら、一緒に組もう。宜しくな」
一緒に組もうも何も、消去法で私達が組むしかないと思うのだが。
彼は自分が余り物ペアにされたことなんて、全く気にしていないようだった。
きっと内心、アルデン人がペアかよ、と舌打ちしていたんだろうと、あの頃は思っていたが。
後になって思えば、そんなつまらないことを気にする人ではない。
「俺はアトラス・ルシェリート。お前は?」
「私は…シュニィです」
相変わらず、名乗るべき名字がないのが恥ずかしい私である。
「シュニィか。宜しく」
アトラスさんは、気にすることなく手を差し出した。
それが握手を求める手だと気づいて、私は驚いた。
自分からアルデン人に触ろうとするなんて、今まで学院長以外にはいなかったから。
一体この人は何を考えてるんだろう、何のつもりなんだろうと思いながら。
恐る恐る手を差し出すと、アトラスさんは私の手をしっかりと握ってきた。
私はびっくりしたが、お構いなしのアトラスさんであった。