神殺しのクロノスタシス1
side無闇
──────…二人組の魔導師は、俺に杖を向けることなく去っていった。
…残された俺と月読は。
「…どう思う」
俺は、月読にそう尋ねた。
「厄介だね。あれは強いよ」
俺が思ったのと、全く同じことを…月読も感じ取ったらしい。
そう…あれは強い。
『死火』という、最強の闇の魔導書を持つ俺でも…敵わないかもしれないほどに。
今までの「客」とは、話が違うようだ。
だが…。
「…誰が、何度来ても同じだ」
俺は、この魔導書を誰にも渡す気はない。
何があっても、決して。
「でもあの人達がまた来たら、そのときはどうするの?」
「関係ない。死ぬまで抗うだけだ」
俺がやることは、いつも変わらない。
彼らの魔法に焼かれることがあったとしても、『死火』は渡さない。
それだけだ。
しかし、月読は。
「…君が死ぬのは駄目だよ」
珍しく真剣な眼差しで、俺を見つめた。
…そうだったな。
「…分かった」
俺だって、みすみす死ぬつもりはない。
必要なら、この時空から離れることも考えなくては。
アシバやイズチのことを思うと、気が重かったが。
『死火』を守る為には、仕方がなかった。
しかし。
その翌日、状況が大きく変わった。
…残された俺と月読は。
「…どう思う」
俺は、月読にそう尋ねた。
「厄介だね。あれは強いよ」
俺が思ったのと、全く同じことを…月読も感じ取ったらしい。
そう…あれは強い。
『死火』という、最強の闇の魔導書を持つ俺でも…敵わないかもしれないほどに。
今までの「客」とは、話が違うようだ。
だが…。
「…誰が、何度来ても同じだ」
俺は、この魔導書を誰にも渡す気はない。
何があっても、決して。
「でもあの人達がまた来たら、そのときはどうするの?」
「関係ない。死ぬまで抗うだけだ」
俺がやることは、いつも変わらない。
彼らの魔法に焼かれることがあったとしても、『死火』は渡さない。
それだけだ。
しかし、月読は。
「…君が死ぬのは駄目だよ」
珍しく真剣な眼差しで、俺を見つめた。
…そうだったな。
「…分かった」
俺だって、みすみす死ぬつもりはない。
必要なら、この時空から離れることも考えなくては。
アシバやイズチのことを思うと、気が重かったが。
『死火』を守る為には、仕方がなかった。
しかし。
その翌日、状況が大きく変わった。