神殺しのクロノスタシス1
聖魔騎士団に…。それはつまり。
「…俺を利用しようと?」
今まで、何度も受けた誘いだ。
時には優しく、時には強引に。
俺はその全てを断ってきた。
「勘違いしないで。私は『死火』を持つ君を利用しようなんて思っちゃいない」
「…なら、何故?」
「何のことはないよ。君が聖魔騎士団に来てくれたら、心強いだろうなぁと思ったから」
「…」
「それに、聖魔騎士団にいれば、『死火』を狙う不埒者に狙われることもなくなるんじゃないかな」
…確かに、それは一理あるな。
「…月読。どう思う?」
俺は、傍らの月読に声をかけた。
俺の半身である彼女は、真剣な顔で俺を見返した。
「…少なくともこの人、今までの奴らとは違うよ」
「…そうだな」
俺も、そう思う。
今まで俺達を狙ってやって来た刺客達と違って、この人には俺を利用しようなんて気は、全くないようだ。
この人なら信用出来る。
この期に及んで俺は、そう思った。
…誰も信じないと決めたはずなんだけどな。
「…どうかな?無闇君」
「…分かった。どうせ、行く宛もないからな」
「本当?来てくれるの?」
シルナ・エインリーは、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「あんたを信用した訳じゃない。信用出来ないと判断としたら、すぐに去るつもりだ」
「勿論、それで構わないよ」
「…それに、エクリプスを倒すのを手伝ってくれた恩もある」
せめて、その分は返さなくては。
「…月読も、それで良いか?」
「君が良いなら、私も良いよ」
月読も、異論はないようだ。
俺が何処に行ったとしても、月読だけは一緒だ。
「…やれやれ。自分の気に入った魔導師がいたら、すぐ味方に引き入れたがるんだから」
横で聞いていた羽久・グラスフィアの溜め息と共に。
俺はこの瞬間から、ルーデュニア聖王国、聖魔騎士団の一員となった。
決して、悪い気分ではなかった。
「…俺を利用しようと?」
今まで、何度も受けた誘いだ。
時には優しく、時には強引に。
俺はその全てを断ってきた。
「勘違いしないで。私は『死火』を持つ君を利用しようなんて思っちゃいない」
「…なら、何故?」
「何のことはないよ。君が聖魔騎士団に来てくれたら、心強いだろうなぁと思ったから」
「…」
「それに、聖魔騎士団にいれば、『死火』を狙う不埒者に狙われることもなくなるんじゃないかな」
…確かに、それは一理あるな。
「…月読。どう思う?」
俺は、傍らの月読に声をかけた。
俺の半身である彼女は、真剣な顔で俺を見返した。
「…少なくともこの人、今までの奴らとは違うよ」
「…そうだな」
俺も、そう思う。
今まで俺達を狙ってやって来た刺客達と違って、この人には俺を利用しようなんて気は、全くないようだ。
この人なら信用出来る。
この期に及んで俺は、そう思った。
…誰も信じないと決めたはずなんだけどな。
「…どうかな?無闇君」
「…分かった。どうせ、行く宛もないからな」
「本当?来てくれるの?」
シルナ・エインリーは、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「あんたを信用した訳じゃない。信用出来ないと判断としたら、すぐに去るつもりだ」
「勿論、それで構わないよ」
「…それに、エクリプスを倒すのを手伝ってくれた恩もある」
せめて、その分は返さなくては。
「…月読も、それで良いか?」
「君が良いなら、私も良いよ」
月読も、異論はないようだ。
俺が何処に行ったとしても、月読だけは一緒だ。
「…やれやれ。自分の気に入った魔導師がいたら、すぐ味方に引き入れたがるんだから」
横で聞いていた羽久・グラスフィアの溜め息と共に。
俺はこの瞬間から、ルーデュニア聖王国、聖魔騎士団の一員となった。
決して、悪い気分ではなかった。