神殺しのクロノスタシス1
…ちなみに。
雷魔法の授業が始まり、テキストを開く。
相変わらず書き込みがたっぷりとしてあって、我ながら汚いテキストである。
人に貸すことになるなんて全然考えていなかったから、完全に自分仕様のテキストにしてしまっていた。
もう少し綺麗に使えば良かったな、アトラスさん全然分からなかったかも、なんてちょっと後悔。
「…ん?」
恐らく、今の授業は、先程の時間、アトラスさんのクラスで行われた授業と同じ範囲だろう。
だから、使ったテキストのページも、ほとんど変わらないはず。
そのページも相変わらず自分の書き込みで一杯だったが…。
ページの隅っこ、ほんの少し空いていた余白に。
見覚えのないものがあった。
泣きそうな顔をした小さな猫のキャラクターが、吹き出しつきで、「全然分からない(涙)」と言っていた。
何、この落書き。
私はこんなものを書いた記憶はないので、これは間違いなく、アトラスさんの仕業だろう。
さっきの授業で書いたんだろうな。
テキストを汚されて怒るどころか、私は、思わずふふっ、と微笑んでしまった。
彼は魔導師じゃないから、魔導理論の授業は訳分からないんだろうな。
鉛筆で書かれたその落書きを、私は消さずにそのまま置いておいた。
またこのページを見たら、微笑ましい気分になれるかな、と思ったからだ。
雷魔法の授業が始まり、テキストを開く。
相変わらず書き込みがたっぷりとしてあって、我ながら汚いテキストである。
人に貸すことになるなんて全然考えていなかったから、完全に自分仕様のテキストにしてしまっていた。
もう少し綺麗に使えば良かったな、アトラスさん全然分からなかったかも、なんてちょっと後悔。
「…ん?」
恐らく、今の授業は、先程の時間、アトラスさんのクラスで行われた授業と同じ範囲だろう。
だから、使ったテキストのページも、ほとんど変わらないはず。
そのページも相変わらず自分の書き込みで一杯だったが…。
ページの隅っこ、ほんの少し空いていた余白に。
見覚えのないものがあった。
泣きそうな顔をした小さな猫のキャラクターが、吹き出しつきで、「全然分からない(涙)」と言っていた。
何、この落書き。
私はこんなものを書いた記憶はないので、これは間違いなく、アトラスさんの仕業だろう。
さっきの授業で書いたんだろうな。
テキストを汚されて怒るどころか、私は、思わずふふっ、と微笑んでしまった。
彼は魔導師じゃないから、魔導理論の授業は訳分からないんだろうな。
鉛筆で書かれたその落書きを、私は消さずにそのまま置いておいた。
またこのページを見たら、微笑ましい気分になれるかな、と思ったからだ。