神殺しのクロノスタシス1
「…この国、シェルドニア王国って言うんだ…」
まず第一に分かったことは、それだ。
これだけでもなかなかの収穫である。
新聞に書いてある。
「偉大なる我がシェルドニア王国は」って。枕詞みたいに。
それから。
「…物凄い独裁国家なんだね。この国は」
ぽつりと呟くシルナ。
そう。それがもう一つの分かったことだ。
この新聞を読めば分かる。
王家による独裁と、国民への洗脳。
それが、このシェルドニア王国の骨子なのだ。
国民が皆、全く同じ服を着ていること。
図書館に入るのに許可証が必要なこと。
逆らえば、即射殺されかねないこと…。
この過激な体制が、シェルドニアという国を作っている。
「成程ね…。これは…動きにくいね」
「あぁ…」
生まれたときからシェルドニアにいる国民達でさえ、こんな国で生きているのは息苦しいだろう。
その上俺達は、余所者なのだ。
ただこの国に潜り込んで、禁書探しをする旅人でしかない。
間違いなく国民を厳しく統制しているであろうこの国で、俺達のような戸籍を持たない余所者が探し物をするには、あまりに窮屈過ぎる。
一応、魔法で姿を消して…とかいうことも出来なくはないが…。
「参ったなぁ…。こんな時代錯誤な国があるとは…」
「良かった。俺、こんな国に生まれなくて…」
「本当にねぇ。ルーデュニアは平和で良いよ」
こんな国に生まれたら、呼吸すら自由に出来なさそうだ。
束縛されるなんて御免だね。俺は。
まず第一に分かったことは、それだ。
これだけでもなかなかの収穫である。
新聞に書いてある。
「偉大なる我がシェルドニア王国は」って。枕詞みたいに。
それから。
「…物凄い独裁国家なんだね。この国は」
ぽつりと呟くシルナ。
そう。それがもう一つの分かったことだ。
この新聞を読めば分かる。
王家による独裁と、国民への洗脳。
それが、このシェルドニア王国の骨子なのだ。
国民が皆、全く同じ服を着ていること。
図書館に入るのに許可証が必要なこと。
逆らえば、即射殺されかねないこと…。
この過激な体制が、シェルドニアという国を作っている。
「成程ね…。これは…動きにくいね」
「あぁ…」
生まれたときからシェルドニアにいる国民達でさえ、こんな国で生きているのは息苦しいだろう。
その上俺達は、余所者なのだ。
ただこの国に潜り込んで、禁書探しをする旅人でしかない。
間違いなく国民を厳しく統制しているであろうこの国で、俺達のような戸籍を持たない余所者が探し物をするには、あまりに窮屈過ぎる。
一応、魔法で姿を消して…とかいうことも出来なくはないが…。
「参ったなぁ…。こんな時代錯誤な国があるとは…」
「良かった。俺、こんな国に生まれなくて…」
「本当にねぇ。ルーデュニアは平和で良いよ」
こんな国に生まれたら、呼吸すら自由に出来なさそうだ。
束縛されるなんて御免だね。俺は。