神殺しのクロノスタシス1
そして、もう一つ。
私には、気になっていることがある。
これを指摘するつもりはなかったのだが。
私の、夢が。
それを許さなかった。
「…ここでの生活は、もう慣れた?」
ある日の午後、叔母は私をお茶に呼び出して、そう尋ねた。
私には、このお茶がただ熱いだけの苦い水にしか見えない。
あまり美味しくはないが、叔母は平然と飲んでいるので、多分平然と飲むのが正しいのだろう。
それはともかく。
慣れたか…だって?
「いえ…。まだ…戸惑うことの方が多いです」
正直に答えてしまった。
多分、あと一年たっても慣れないだろう。
それだけ、私に染み付いた収容所暮らしは消えないということだ。
「そう…。無理もないわね。長く一人でいたんだし…」
「…」
「すぐに慣れる必要はないわ。少しずつ慣れれば良いのよ」
ヘイリー叔母は、にこりと笑った。
本当に、良い人だ。
良い人過ぎて、言えないけれど…。
でも、言わない訳にはいかない。
「…あの、叔母さん」
「何?」
「ずっと聞きたかったことがあるんです」
「…?良いわよ。なぁに?」
…これを聞いてしまったら、私は叔母と前のような関係にはなれないだろう。
全てが崩れようとしているのに。
私の中のもう一人が、それを止められなかった。
「あなた、私の叔母さんじゃないでしょう?」
私には、気になっていることがある。
これを指摘するつもりはなかったのだが。
私の、夢が。
それを許さなかった。
「…ここでの生活は、もう慣れた?」
ある日の午後、叔母は私をお茶に呼び出して、そう尋ねた。
私には、このお茶がただ熱いだけの苦い水にしか見えない。
あまり美味しくはないが、叔母は平然と飲んでいるので、多分平然と飲むのが正しいのだろう。
それはともかく。
慣れたか…だって?
「いえ…。まだ…戸惑うことの方が多いです」
正直に答えてしまった。
多分、あと一年たっても慣れないだろう。
それだけ、私に染み付いた収容所暮らしは消えないということだ。
「そう…。無理もないわね。長く一人でいたんだし…」
「…」
「すぐに慣れる必要はないわ。少しずつ慣れれば良いのよ」
ヘイリー叔母は、にこりと笑った。
本当に、良い人だ。
良い人過ぎて、言えないけれど…。
でも、言わない訳にはいかない。
「…あの、叔母さん」
「何?」
「ずっと聞きたかったことがあるんです」
「…?良いわよ。なぁに?」
…これを聞いてしまったら、私は叔母と前のような関係にはなれないだろう。
全てが崩れようとしているのに。
私の中のもう一人が、それを止められなかった。
「あなた、私の叔母さんじゃないでしょう?」