神殺しのクロノスタシス1
side羽久
──────…と、いう素晴らしく感動的なワンシーンを。
木陰から覗き見る変態が一名。
「うぅ…ぐすっ…。ずびっ…」
「…」
「ぐずっ…。よ、良かった…。良かったねぇシュニィちゃん…」
勝手に盗み聞きして、勝手に泣いてる人がいる。
さて、俺がこのアホをどうするか。
そんなものは決まってる。
「…お巡りさん、すぐ捕まえに来てください。変態がいます」
「ちょっ、羽久!今良いとこ!良いとこだからやめて!」
良いとこなんだったら、お前が覗き見やめろよ。
最低だよマジで。
こんなシーン盗み見るとか、お前本当最低だよ。
マジで。
「二人の愛が育まれる瞬間だよ…!」
「何言ってんの…?」
頭大丈夫?沸いてない?
やっぱり警察じゃなくて医者呼ぼうか?
「シュニィちゃん、今までずっと自分の生まれを引け目に感じてて…。皆と距離おいて…。でも、今ようやく、こうして…アトラス君によって、閉ざされていた心の扉が開かれたんだよ。感動的だと思わない?」
「うん。その様子を木陰から鼻水垂らして盗み見てる人がいなかったら、確かに感動的だったと思うよ」
お前が全てを台無しにしてるんだよ。分かれ。
「バレて爆破されてしまえば良いのに…」
可哀想に、あの子。
こんなところ見られてるとは思わないだろうな。
「ってか盗み見るなよ…。何で見るんだよいちいち…」
「だって…。気になるでしょ?」
「生徒の恋路が?下世話過ぎるだろ」
教師が首突っ込んで良い範囲じゃないから。
プライバシーの侵害も良いところだぞ。
「他の子は気にならないよ。あ、いや気にはなるけど、盗み見るほどじゃないよ。でもシュニィちゃんはどうしても…」
「何?シルナ的な好み?」
だとしたらあの子、急いで王都から逃がすよ。
こんな変態に目をつけられるなんて、可哀想過ぎてイーニシュフェルトに置いておけない。
気の毒な。
「そうじゃなくて。ずっと卑屈だったから…シュニィちゃん」
「…」
「どうしても…心を開ける人を見つけて欲しかったんだよ」
…もしかして。
「…それで留学生なんて入れた訳?魔導適性もない子を…」
「まさか。そこまで考えてはいなかったよ…あんまり」
あんまりってことは、少しは考えてたんじゃないかよ。
この変態め。
「…ってか、マジでもう帰った方が良いよ。このままの流れで、二人がおっぱじめたらどうするんだ」
「…?」
きょとん、と首を傾げるシルナ。
アホなんじゃないのかな。
「…このまま男女の営みが始まったらどうするんだって言ってるんだよ!ほら、さっさと逃げるよ」
「そっ!そんな不健全な!私の生徒は!学生のうちから、そんなふしだらなことをするような子には育ててません!」
「デカイ声を出すな、バレるだろ!」
バシッ、とシルナの頭をひっぱたき。
色々と気まずいことになる前に、さっさとこの場を退散した。
木陰から覗き見る変態が一名。
「うぅ…ぐすっ…。ずびっ…」
「…」
「ぐずっ…。よ、良かった…。良かったねぇシュニィちゃん…」
勝手に盗み聞きして、勝手に泣いてる人がいる。
さて、俺がこのアホをどうするか。
そんなものは決まってる。
「…お巡りさん、すぐ捕まえに来てください。変態がいます」
「ちょっ、羽久!今良いとこ!良いとこだからやめて!」
良いとこなんだったら、お前が覗き見やめろよ。
最低だよマジで。
こんなシーン盗み見るとか、お前本当最低だよ。
マジで。
「二人の愛が育まれる瞬間だよ…!」
「何言ってんの…?」
頭大丈夫?沸いてない?
やっぱり警察じゃなくて医者呼ぼうか?
「シュニィちゃん、今までずっと自分の生まれを引け目に感じてて…。皆と距離おいて…。でも、今ようやく、こうして…アトラス君によって、閉ざされていた心の扉が開かれたんだよ。感動的だと思わない?」
「うん。その様子を木陰から鼻水垂らして盗み見てる人がいなかったら、確かに感動的だったと思うよ」
お前が全てを台無しにしてるんだよ。分かれ。
「バレて爆破されてしまえば良いのに…」
可哀想に、あの子。
こんなところ見られてるとは思わないだろうな。
「ってか盗み見るなよ…。何で見るんだよいちいち…」
「だって…。気になるでしょ?」
「生徒の恋路が?下世話過ぎるだろ」
教師が首突っ込んで良い範囲じゃないから。
プライバシーの侵害も良いところだぞ。
「他の子は気にならないよ。あ、いや気にはなるけど、盗み見るほどじゃないよ。でもシュニィちゃんはどうしても…」
「何?シルナ的な好み?」
だとしたらあの子、急いで王都から逃がすよ。
こんな変態に目をつけられるなんて、可哀想過ぎてイーニシュフェルトに置いておけない。
気の毒な。
「そうじゃなくて。ずっと卑屈だったから…シュニィちゃん」
「…」
「どうしても…心を開ける人を見つけて欲しかったんだよ」
…もしかして。
「…それで留学生なんて入れた訳?魔導適性もない子を…」
「まさか。そこまで考えてはいなかったよ…あんまり」
あんまりってことは、少しは考えてたんじゃないかよ。
この変態め。
「…ってか、マジでもう帰った方が良いよ。このままの流れで、二人がおっぱじめたらどうするんだ」
「…?」
きょとん、と首を傾げるシルナ。
アホなんじゃないのかな。
「…このまま男女の営みが始まったらどうするんだって言ってるんだよ!ほら、さっさと逃げるよ」
「そっ!そんな不健全な!私の生徒は!学生のうちから、そんなふしだらなことをするような子には育ててません!」
「デカイ声を出すな、バレるだろ!」
バシッ、とシルナの頭をひっぱたき。
色々と気まずいことになる前に、さっさとこの場を退散した。