神殺しのクロノスタシス1
その日の夜。
私と二十音は、別々のベッドで寝ていた。
…はず、だったのだが。
「…!?」
夜中にふと目を覚ますと、私の横に、二十音がいた。
びっくりして、心臓が口から飛び出るかと思った。
何でここにいるんだ。
向こうのベッドで寝ていたはずじゃないか。
しかも、あろうことか。
二十音は、私の片手をぎゅっと握ったまま寝ていた。
何を…。
二十音の意図が分からず、私はこの子が何かを企んでいるのかと思った。
とにかく。
「…起きなさい」
私は二十音を揺り起こした。
ぱちりと目を開けた二十音は、目の前に私がいるのを見て、ほにゃんと嬉しそうな顔をした。
何がしたいんだ、この子は…。
「勝手に私のベッドに入るんじゃない。自分のベッドに戻りなさい」
「…」
険しい声で指示すると、二十音はショックを受けたように固まった。
「勝手に手まで繋いで…。全く」
ぎゅっと握られていた手も、私は乱暴に振り払った。
すると、二十音は更に悲しそうな顔になった。
振り払われた片手を、もう片方の手でぎゅっと握っていた。
まるで、誰かの手の温もりを確かめるように。
今こんなことを思い出すと、私は気が狂いそうになる。
二十音に、なんて可哀想なことをしてしまったのだ、と。
でも当時の私には、二十音が何故そんなことをするのか、分からなかったのだ。
「ほら、早く自分のベッドに戻りなさい」
「…」
二十音はしばし私の顔をすがるように見つめて。
それから、のろのろと私のベッドから降りた。
全く…。何を考えているのだか…。
私は二十音に背を向けるようにして、再び目を閉じた。
私と二十音は、別々のベッドで寝ていた。
…はず、だったのだが。
「…!?」
夜中にふと目を覚ますと、私の横に、二十音がいた。
びっくりして、心臓が口から飛び出るかと思った。
何でここにいるんだ。
向こうのベッドで寝ていたはずじゃないか。
しかも、あろうことか。
二十音は、私の片手をぎゅっと握ったまま寝ていた。
何を…。
二十音の意図が分からず、私はこの子が何かを企んでいるのかと思った。
とにかく。
「…起きなさい」
私は二十音を揺り起こした。
ぱちりと目を開けた二十音は、目の前に私がいるのを見て、ほにゃんと嬉しそうな顔をした。
何がしたいんだ、この子は…。
「勝手に私のベッドに入るんじゃない。自分のベッドに戻りなさい」
「…」
険しい声で指示すると、二十音はショックを受けたように固まった。
「勝手に手まで繋いで…。全く」
ぎゅっと握られていた手も、私は乱暴に振り払った。
すると、二十音は更に悲しそうな顔になった。
振り払われた片手を、もう片方の手でぎゅっと握っていた。
まるで、誰かの手の温もりを確かめるように。
今こんなことを思い出すと、私は気が狂いそうになる。
二十音に、なんて可哀想なことをしてしまったのだ、と。
でも当時の私には、二十音が何故そんなことをするのか、分からなかったのだ。
「ほら、早く自分のベッドに戻りなさい」
「…」
二十音はしばし私の顔をすがるように見つめて。
それから、のろのろと私のベッドから降りた。
全く…。何を考えているのだか…。
私は二十音に背を向けるようにして、再び目を閉じた。