神殺しのクロノスタシス1
とても和やかな、良い雰囲気のまま、お茶会は終わった。

ところで。

ルイーシュ君じゃないが、私が何一つ肝心なことを話していないとお気づきだろうか。

そう、私は肝心なことを何も話していない。

起きた出来事の、綺麗な部分しか彼らに話さなかった。

それも、酷く美化して、だ。

現実はもっとどす黒くて、醜くて、汚い。

でもそんなことは、彼らに話さない。

放せない。

軽蔑されるのが怖い?

いや、それは彼らが知る必要のないことだからだ。

今を生きる彼らに、あんな昔の話をするべきではない。

知れば、彼らはもう二度と。

私と、目を合わせてもくれないだろうから。















決して話すつもりのなかったその話を、彼らに知られることになるのは…もう少し、先の話。












END 


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