神殺しのクロノスタシス1
「君は自分の学院で、日常的に生徒に体罰を加えているそうだね」
最早、疑う余地はない。この目で見てしまったのだから。
羽久が言っていたあの噂は、本当だったのだ。
イレースちゃんは、日常的に生徒に体罰を加えている。
そして。
「えぇ」
全く悪びれることなく、イレースちゃんはその事実を認めた。
悪びれる必要すらない、と言うことか。
これはもう、教育方針の違いとか、そういう次元の話ではない。
人間性の違いだ。
「何で、そんな乱暴なことを」
「分かってもらおうとは思いません。私には、私なりの理由があります」
「その理由を聞かせてもらおうか。生徒を殴る理由なんて、私には全く思い付かないけどね」
何があっても、やっちゃいけないことがあるんじゃないのか。
教師として。人として。
それなのに。
「あなたは甘いんですよ、シルナ・エインリー教官殿。あなたのような生温い教育方針では、生徒は甘やかされることに慣れてしまう。困難を自分で乗り越えることを知らない、意気地無しばかりの世の中になるでしょう」
「…」
…成程。
そういう意見もあるね。
その意見が分からないとは言わない。かつて私も、同じようなことを考えていた。
厳しく育てることが教育だと、そう信じていた。
でも、それは間違いだ。
「…そんなやり方では、生徒は育たないよ」
恐怖と痛みで生徒を押さえつけることは、教育ではない。
そんなことをしても、生徒は大成しない。
教育者として、間違いなくイレースちゃんより経験の長い私が、そう断言する。
最早、疑う余地はない。この目で見てしまったのだから。
羽久が言っていたあの噂は、本当だったのだ。
イレースちゃんは、日常的に生徒に体罰を加えている。
そして。
「えぇ」
全く悪びれることなく、イレースちゃんはその事実を認めた。
悪びれる必要すらない、と言うことか。
これはもう、教育方針の違いとか、そういう次元の話ではない。
人間性の違いだ。
「何で、そんな乱暴なことを」
「分かってもらおうとは思いません。私には、私なりの理由があります」
「その理由を聞かせてもらおうか。生徒を殴る理由なんて、私には全く思い付かないけどね」
何があっても、やっちゃいけないことがあるんじゃないのか。
教師として。人として。
それなのに。
「あなたは甘いんですよ、シルナ・エインリー教官殿。あなたのような生温い教育方針では、生徒は甘やかされることに慣れてしまう。困難を自分で乗り越えることを知らない、意気地無しばかりの世の中になるでしょう」
「…」
…成程。
そういう意見もあるね。
その意見が分からないとは言わない。かつて私も、同じようなことを考えていた。
厳しく育てることが教育だと、そう信じていた。
でも、それは間違いだ。
「…そんなやり方では、生徒は育たないよ」
恐怖と痛みで生徒を押さえつけることは、教育ではない。
そんなことをしても、生徒は大成しない。
教育者として、間違いなくイレースちゃんより経験の長い私が、そう断言する。