神殺しのクロノスタシス1
訓練場の中には、15人の生徒が両手を縛られて座らされていた。
見たところ、怪我をしている様子はない。
それほど、手荒な扱いを受けている訳ではなさそうだ。
まずはホッとした。
そして、気になるのは。
「…イレースちゃん、その人は誰?」
生徒でもない、教師でもないもう一人。
イレースちゃんの隣に立っている男は、誰なのか。
「この者が誰なのかは、あなたが一番よく分かっているはずでは?」
「…そうだね」
まさか、こんなに近くにいたとはね。
ずっと気配を隠していたらしい。
「シュニィちゃんが知ったら、驚くだろうね。まさか探し物がこんなに近くにいたなんて」
『禁忌の黒魔導書』の化身。
もう六冊目になるかな。
「イーニシュフェルトの聖賢者…。まんまと釣られたな。イレースの言う通り、甘い男だ」
「何で君が、イレースちゃんの傍にいるの?」
「言わずとも分かるだろう。俺は、この女と契約した」
…契約。
イレースちゃんが、『禁忌の黒魔導書』と契約したと言うのか。
「…イレースちゃん。本当なの?」
「えぇ、勿論」
躊躇うことなく、彼女は頷いた。
…そうか。
「…それで君は、何でこんなことをしてるの?」
私は、それを聞きに来たのだ。
「…シルナ・エインリー教官。今すぐ、あなたに死んでもらいたいんです」
…予想はしていたから、そんなには驚かなかった。
私に死んでもらいたい人は、多分いくらでもいるだろう。
見たところ、怪我をしている様子はない。
それほど、手荒な扱いを受けている訳ではなさそうだ。
まずはホッとした。
そして、気になるのは。
「…イレースちゃん、その人は誰?」
生徒でもない、教師でもないもう一人。
イレースちゃんの隣に立っている男は、誰なのか。
「この者が誰なのかは、あなたが一番よく分かっているはずでは?」
「…そうだね」
まさか、こんなに近くにいたとはね。
ずっと気配を隠していたらしい。
「シュニィちゃんが知ったら、驚くだろうね。まさか探し物がこんなに近くにいたなんて」
『禁忌の黒魔導書』の化身。
もう六冊目になるかな。
「イーニシュフェルトの聖賢者…。まんまと釣られたな。イレースの言う通り、甘い男だ」
「何で君が、イレースちゃんの傍にいるの?」
「言わずとも分かるだろう。俺は、この女と契約した」
…契約。
イレースちゃんが、『禁忌の黒魔導書』と契約したと言うのか。
「…イレースちゃん。本当なの?」
「えぇ、勿論」
躊躇うことなく、彼女は頷いた。
…そうか。
「…それで君は、何でこんなことをしてるの?」
私は、それを聞きに来たのだ。
「…シルナ・エインリー教官。今すぐ、あなたに死んでもらいたいんです」
…予想はしていたから、そんなには驚かなかった。
私に死んでもらいたい人は、多分いくらでもいるだろう。