神殺しのクロノスタシス1
「俺の手を取れよ。俺は禍なる者を復活させ、世界を変革させる。あんたと利害が一致してる。そうだろ?」
「…」
結構です、と言いたかった。
確かに世界を変えるのは、私の悲願でもある。
でも、だからと言って禁書の手を取るほど…私は落ちぶれていない。
そのつもりだった。
「…嫌だ、って顔してるな?」
「…それは」
「分かってないなぁ。あんたの今のやり方じゃ、何も変わらないぞ?」
「…!」
痛いところを突かれた。
その通りだったから。
私は非力だった。私の力は、世界を変えるにはあまりにもちっぽけだった。
いくらラミッドフルス魔導学院で、生徒を厳しく育てても。
ルーデュニア聖王国を変えられる訳じゃないし、それどころか聖魔騎士団さえ変えられない。
私には、世界を変えられない。
分かっていたけど、認めたくなかった事実を、目の前に突き付けられた。
「…大好きな両親を殺したような奴らが蔓延る世界を、変えたくないのか?」
私はハッとして、写真の中の両親を見た。
二人が、私に訴えかけているように見えた。
お願いだから、と。
あんな悲劇を繰り返す世の中を変えてくれ、と。
「私は…」
「変えたいんだろ?世界を救いたいんだろ?なら、俺の手を取れ。…俺だけが、あんたの理解者だ」
震える、手で。
「…」
結構です、と言いたかった。
確かに世界を変えるのは、私の悲願でもある。
でも、だからと言って禁書の手を取るほど…私は落ちぶれていない。
そのつもりだった。
「…嫌だ、って顔してるな?」
「…それは」
「分かってないなぁ。あんたの今のやり方じゃ、何も変わらないぞ?」
「…!」
痛いところを突かれた。
その通りだったから。
私は非力だった。私の力は、世界を変えるにはあまりにもちっぽけだった。
いくらラミッドフルス魔導学院で、生徒を厳しく育てても。
ルーデュニア聖王国を変えられる訳じゃないし、それどころか聖魔騎士団さえ変えられない。
私には、世界を変えられない。
分かっていたけど、認めたくなかった事実を、目の前に突き付けられた。
「…大好きな両親を殺したような奴らが蔓延る世界を、変えたくないのか?」
私はハッとして、写真の中の両親を見た。
二人が、私に訴えかけているように見えた。
お願いだから、と。
あんな悲劇を繰り返す世の中を変えてくれ、と。
「私は…」
「変えたいんだろ?世界を救いたいんだろ?なら、俺の手を取れ。…俺だけが、あんたの理解者だ」
震える、手で。