神殺しのクロノスタシス1
…一応、彼は「言い触らさない」と言ってくれたけど。

正直、何処まで信用して良いのか…。

サナキ・エインリーとは、同じ学年ではあるものの、クラスが同じになったのは今年から。

クラス替えで、初めて一緒になったのだ。

まだあまり彼のことについては知らないし、それは向こうも同じだろう。

失礼ながら、特に目立った生徒という風には見えないが…。

「ほ、本当に話さない?本当に?」

「話さないよ…。何回言わせんだ」

ごめんなさい。

でも、心配で。

「あ、ありがとう。ありがとう…!」

「そんな、拝まれるようなことじゃ…」

拝まれるようなことだ。

だって、彼が黙っていてくれないと、私は社会的に死んでしまう。

「ありがとう、サナキ君。私、何てお礼を言ったら良いか…」

「大丈夫だから。そんな涙ぐまなくても良いから」

「このお礼は、必ずするよ」

彼は私の、命の恩人に等しいのだから。
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