神殺しのクロノスタシス1
翌日。
エガルテ・アルヴァールは、普段と変わりなく過ごしていた。
その日は、剣術の授業があった。
イーニシュフェルト魔導学院では、魔法の授業が毎日のようにあるけれど。
ここでは、剣術の授業が毎日行われる。
俺は元々剣士じゃなくて魔導師だから、いまいち剣の扱いは上手くない…のだが。
まぁ、クラスで目立たない程度には、上手くやれているつもりだ。
それはそうとして、注目すべきはエガルテだ。
彼の剣術の腕前は、大変優れていた。
学年の中でも、頭一つ抜けている。
今日もエガルテは、皆の見ている前で、手本のような可憐な剣さばきを見せてくれた。
担当教官も、「皆エガルテを手本とするように」と言うくらい。
それだけ優秀でいながら、彼は全く驕ることがなかった。
他のクラスメイトにも優しく、誰にでも平等に接した。
面倒見も良くて、後輩からも慕われているそうな。
この学校は男子校だから、残念ながらクラスメイトの女子にモテる、ということはないのだけど。
もし共学だったら、女子生徒からは羨望の的になっていただろうな。
まさかこの完璧なエガルテに、女装趣味があるとは…誰も思わないだろうなぁ。
エガルテよ。言い触らすも何も、お前のその人徳では、言い触らしても多分、誰も信じないぞ。
彼の中身が実は女だなんて、誰が信じるだろう。
誰よりも強くて屈強な男、にしか見えない。
本人も、学校では男っぽい振る舞いや口調を心掛けているようだった。
一人称も「俺」だし、語尾も男のそれ。
完璧な演技である。
そんなエガルテは、放課後、俺のもとにやって来た。
「なぁサナキ。放課後、ちょっと付き合ってくれないか?」
勿論、その誘いを断る理由はなかった。
エガルテ・アルヴァールは、普段と変わりなく過ごしていた。
その日は、剣術の授業があった。
イーニシュフェルト魔導学院では、魔法の授業が毎日のようにあるけれど。
ここでは、剣術の授業が毎日行われる。
俺は元々剣士じゃなくて魔導師だから、いまいち剣の扱いは上手くない…のだが。
まぁ、クラスで目立たない程度には、上手くやれているつもりだ。
それはそうとして、注目すべきはエガルテだ。
彼の剣術の腕前は、大変優れていた。
学年の中でも、頭一つ抜けている。
今日もエガルテは、皆の見ている前で、手本のような可憐な剣さばきを見せてくれた。
担当教官も、「皆エガルテを手本とするように」と言うくらい。
それだけ優秀でいながら、彼は全く驕ることがなかった。
他のクラスメイトにも優しく、誰にでも平等に接した。
面倒見も良くて、後輩からも慕われているそうな。
この学校は男子校だから、残念ながらクラスメイトの女子にモテる、ということはないのだけど。
もし共学だったら、女子生徒からは羨望の的になっていただろうな。
まさかこの完璧なエガルテに、女装趣味があるとは…誰も思わないだろうなぁ。
エガルテよ。言い触らすも何も、お前のその人徳では、言い触らしても多分、誰も信じないぞ。
彼の中身が実は女だなんて、誰が信じるだろう。
誰よりも強くて屈強な男、にしか見えない。
本人も、学校では男っぽい振る舞いや口調を心掛けているようだった。
一人称も「俺」だし、語尾も男のそれ。
完璧な演技である。
そんなエガルテは、放課後、俺のもとにやって来た。
「なぁサナキ。放課後、ちょっと付き合ってくれないか?」
勿論、その誘いを断る理由はなかった。