神殺しのクロノスタシス1
僕のもとに、魔導部隊隊長のシュニィ・ルシェリートがやって来た。
「エリュティアさん」
「シュニィ…。どうかした?」
「たった今、連絡が入りました。シルナ学院長先生と羽久さんが、『禁忌の黒魔導書』を討伐したそうです。今から戻ると」
「…そうか」
また一冊、禁書が封印されたか。
「あなたの探知魔法のお陰です。いつもありがとうございます、エリュティアさん」
シュニィは、聖魔騎士団魔導師の隊長で、そして聖魔騎士団副団長でもある。
そして僕はその部下なのだから、わざわざ感謝の言葉を述べる必要はない。
それなのにわざわざ感謝を告げるのは、シュニィ・ルシェリートという人物の人柄をよく表していると、僕は思う。
アルデン人である彼女を、その人種だけで偏見を抱いている者も、少なくはない。
でも僕は、彼女のような人物のもとで働けることを、幸運だと思っている。
そしてそれ以上に、シルナ・エインリー学院長にも。
「これで、残りの禁書は二冊ですね」
「あぁ…」
「残りの探索も、お願いします。頼りにしてますね、エリュティアさん」
「ありがとう、頑張るよ」
僕には、シュニィや羽久達のように、優れた戦闘能力なんてない。
僕に出来るのは、陰湿な探知魔法くらいだ。
それでもここでは、僕を頼りにしてくれる。
本当の意味で、だ。
そして僕を、暗い場所から光の世界に連れ出してくれた、シルナ学院長の為にも。
「エリュティアさん」
「シュニィ…。どうかした?」
「たった今、連絡が入りました。シルナ学院長先生と羽久さんが、『禁忌の黒魔導書』を討伐したそうです。今から戻ると」
「…そうか」
また一冊、禁書が封印されたか。
「あなたの探知魔法のお陰です。いつもありがとうございます、エリュティアさん」
シュニィは、聖魔騎士団魔導師の隊長で、そして聖魔騎士団副団長でもある。
そして僕はその部下なのだから、わざわざ感謝の言葉を述べる必要はない。
それなのにわざわざ感謝を告げるのは、シュニィ・ルシェリートという人物の人柄をよく表していると、僕は思う。
アルデン人である彼女を、その人種だけで偏見を抱いている者も、少なくはない。
でも僕は、彼女のような人物のもとで働けることを、幸運だと思っている。
そしてそれ以上に、シルナ・エインリー学院長にも。
「これで、残りの禁書は二冊ですね」
「あぁ…」
「残りの探索も、お願いします。頼りにしてますね、エリュティアさん」
「ありがとう、頑張るよ」
僕には、シュニィや羽久達のように、優れた戦闘能力なんてない。
僕に出来るのは、陰湿な探知魔法くらいだ。
それでもここでは、僕を頼りにしてくれる。
本当の意味で、だ。
そして僕を、暗い場所から光の世界に連れ出してくれた、シルナ学院長の為にも。