神殺しのクロノスタシス1
僕は昔から、そんな母が苦手だった。

好きとか嫌いとかの問題ではない。

好きなのか、嫌いなのかは分からない。

今でも分からないくらいだ。

母は幼い僕に、粗末な食事と、最低限の衣服と寝床以外、何も与えてくれないような人だった。

休みの日でもそうだ。

母は僕を外に連れ出すこともなかった。

仕事が休みの日、母は朝から酒瓶とつまみをテーブルに並べて、テレビをつけて、一日中お酒を飲みながら過ごした。

一度として、僕の相手をしてくれたことはなかった。

テレビを観てゲラゲラ笑いながら、お酒を浴びるように飲む母を、僕は遠くから眺めているだけだった。

何も、期待なんてしていなかった。

母に期待なんてしても無駄だった。

ただ、母が不機嫌にならないことを祈るばかりだった。

覚えている限り、休みの日に母が僕と遊んでくれたことは、一度もない。
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