神殺しのクロノスタシス1
決勝戦は、正直なところ準決勝より楽に勝つことが出来た。
決勝なので、向こうの魔法の質もレベルも高くて、連携も取れていたけど。
しかし、私達ほどではなかった。
私が出す指示の通りに、アトラスさんは動いてくれた。
私の言う通りに動いていれば、必ず勝てると信じきっているかのよう。
そこまで信じてくれたのは嬉しいが、何だか素直で可愛らしい。
そして。
「はい、シュニィちゃん。アトラス君。優勝おめでとう」
壇上に立って、にこにことトロフィーと賞状を差し出す学院長。
私は、本当に自分がもらっても良いのかなと思いながら、おずおずと手を伸ばした。
…もらってしまった。
トロフィーと賞状。
このトロフィーって、これまでは遠目に眺めていただけだったけど。
意外に重かったんだと、初めて知った。
まさか自分が決勝まで進み、しかも勝てるなんて思っていなかった。
だから、何だか優勝の実感が沸かない。
アトラスさんは、根拠のない自信で勝てると確信していたようだけど…。
「今回の試験は、魔法の創意工夫と、戦況を広く見る視野の広さが物を言ったね」
学院長は私に向かってそう言ったのだが、何故かアトラスさんがどや顔だった。
ふふんそうだろうそうだろう、と言わんばかり。
皆から拍手され、学院長からも賛辞を受け、この上ない名誉を得たはずなのに。
私は何故か、喜びよりも、虚しさの方が勝っていた。
だってこの試験が終わってしまったら。
アトラスさんの隣という…この居心地の良い場所に、もういられなくなってしまうのだから。
決勝なので、向こうの魔法の質もレベルも高くて、連携も取れていたけど。
しかし、私達ほどではなかった。
私が出す指示の通りに、アトラスさんは動いてくれた。
私の言う通りに動いていれば、必ず勝てると信じきっているかのよう。
そこまで信じてくれたのは嬉しいが、何だか素直で可愛らしい。
そして。
「はい、シュニィちゃん。アトラス君。優勝おめでとう」
壇上に立って、にこにことトロフィーと賞状を差し出す学院長。
私は、本当に自分がもらっても良いのかなと思いながら、おずおずと手を伸ばした。
…もらってしまった。
トロフィーと賞状。
このトロフィーって、これまでは遠目に眺めていただけだったけど。
意外に重かったんだと、初めて知った。
まさか自分が決勝まで進み、しかも勝てるなんて思っていなかった。
だから、何だか優勝の実感が沸かない。
アトラスさんは、根拠のない自信で勝てると確信していたようだけど…。
「今回の試験は、魔法の創意工夫と、戦況を広く見る視野の広さが物を言ったね」
学院長は私に向かってそう言ったのだが、何故かアトラスさんがどや顔だった。
ふふんそうだろうそうだろう、と言わんばかり。
皆から拍手され、学院長からも賛辞を受け、この上ない名誉を得たはずなのに。
私は何故か、喜びよりも、虚しさの方が勝っていた。
だってこの試験が終わってしまったら。
アトラスさんの隣という…この居心地の良い場所に、もういられなくなってしまうのだから。