神殺しのクロノスタシス1
だけど。
私は二十音を育てていくうちに、自分の中になかった感情を覚えていった。
全ての憎しみや、全ての死者の怨念を無に返す感情。
そう、それが愛だった。
私は、依り代として殺さなければならないはずの二十音を、愛してしまった。
私は孤独だった。
二十音に会うまで、気づきもしなかった。
イーニシュフェルトの里が滅んでからというもの、私は何千年も、一人で生きてきた。
自分が孤独であると気づかないほどに、孤独だった。
二十音と会って、共に過ごすうちに、私は己の孤独が満たされているのを感じた。
あぁ、私は孤独だったんだ。
ずっと寂しかったんだ。
一人ぼっちで、邪神を倒す方法だけを考え、死者の願い…いや、呪いとも言える遺言を守る為に生きてきた。
自分が孤独だと気づかないほどに、ただひたすら、死者の無念を晴らす為に…。
孤独だった私の心を、二十音が埋めてくれた。
二十音は、私のような人間を。
家族を、故郷の人々を犠牲にして、一人だけ生き残ったような人間を。
私を、初めて愛してくれた人だった。
そして、二十音にとっても。
感情移入なんて、してはいけなかったのに。
利用するだけ利用して、殺してしまわなければならないのに。
ましてや、愛するなんてとんでもない。
私は何処までも冷徹で、ただ死者の無念を晴らし、邪神を討ち滅ぼすだけの存在であらなければならないのに。
その為に、何でも利用しなければならないのに…。
私は二十音を依り代にするかどうか、迷った。
他の方法がないか、必死に考えた。
でも、どんなに考えても、その方法しか思い付かなかった。
死者の呪いと、私の愛と。
どちらを選ぶかなど、考えるまでもなかった。
私は二十音を育てていくうちに、自分の中になかった感情を覚えていった。
全ての憎しみや、全ての死者の怨念を無に返す感情。
そう、それが愛だった。
私は、依り代として殺さなければならないはずの二十音を、愛してしまった。
私は孤独だった。
二十音に会うまで、気づきもしなかった。
イーニシュフェルトの里が滅んでからというもの、私は何千年も、一人で生きてきた。
自分が孤独であると気づかないほどに、孤独だった。
二十音と会って、共に過ごすうちに、私は己の孤独が満たされているのを感じた。
あぁ、私は孤独だったんだ。
ずっと寂しかったんだ。
一人ぼっちで、邪神を倒す方法だけを考え、死者の願い…いや、呪いとも言える遺言を守る為に生きてきた。
自分が孤独だと気づかないほどに、ただひたすら、死者の無念を晴らす為に…。
孤独だった私の心を、二十音が埋めてくれた。
二十音は、私のような人間を。
家族を、故郷の人々を犠牲にして、一人だけ生き残ったような人間を。
私を、初めて愛してくれた人だった。
そして、二十音にとっても。
感情移入なんて、してはいけなかったのに。
利用するだけ利用して、殺してしまわなければならないのに。
ましてや、愛するなんてとんでもない。
私は何処までも冷徹で、ただ死者の無念を晴らし、邪神を討ち滅ぼすだけの存在であらなければならないのに。
その為に、何でも利用しなければならないのに…。
私は二十音を依り代にするかどうか、迷った。
他の方法がないか、必死に考えた。
でも、どんなに考えても、その方法しか思い付かなかった。
死者の呪いと、私の愛と。
どちらを選ぶかなど、考えるまでもなかった。