神殺しのクロノスタシス1
俺はキッチンから空のペットボトルを二本ほど借り。

その中に、水道水を満たした。

一定以上の魔力を持つ者は、何年生きても身体が老いることはない。

殺されない限りは死なない。

殺されれば死ぬので、不老不死ではない。ただの不老ってところだな。

更に、体内の魔力をエネルギーに変換することが出来る為、食べ物や飲み物を摂取する必要がない。

とはいえ、激しい運動をすれば喉も渇くし、魔力から変換されるエネルギーよりも多くのエネルギーを消費してしまったときは、食べ物を摂取する必要が出てくるのだが…。

今は、その必要はない。

だから、一応最低限の水だけ持っておけば良い。

俺はリビングの押し入れを開け、奥の奥の方にしまわれていた、来客用らしいマットレスと毛布を拝借し。

更に、同じく押し入れにしまわれていた懐中電灯も借りて。

それらと水のペットボトルを持って、屋根裏に上がった。

この家族は、屋根裏を全く使っていなかったらしい。

物置としても使ってなかったのか、屋根裏は空っぽで、ただ埃だけがパイみたいに幾層にも積もっていた。

さすがに…この状態で入るのは、気が引ける。

仕方がない。まずは掃除から始めるとしよう。

家族の誰かが帰ってくる前に、この屋根裏を住める状態にしておかなくては。
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