神殺しのクロノスタシス1
おっさん臭いおっさんって。

何それ。加齢臭ってこと?ねぇ。

…聞かないでおこう。

「何が楽しくて、おっさんと毎日楽しくネカフェ通いしなきゃならないんだよ…」

しょうがないじゃない。この時空に犯人がいるんだとしたら、きっとまた同様の犯行が行われる。

でも、この世界の何処でそれが行われるかは分からない。

だから、こうしてネットカフェに来て。

朝から晩まで色んな地域を調べて、幼女殺害事件が起きてないかを確認している…のだが。

羽久は、それがとても不満らしい。

「私だってね、一日中画面見つめてるのは辛いんだよ?目が疲れるし、肩も凝るし…」

「年寄りだからな」

「年寄り関係ないから」

若い子だって目疲れる子はいるでしょ。

「一日中鬱々とパソコンポチポチなんて…魔導師のやることじゃねぇよ…」

「まぁまぁ…。それを言っちゃ終わりだよ…」

私だって考えないようにしてたんだからさ。

言わないでよそれ。心に来る。

「さ、羽久。気分変えよう。何かフードメニュー頼んでみようよ」

私はフードメニューのメニュー表を羽久に見せた。

「あ?」

「ポテトと、ピザと、ホットケーキ頼もーっと。羽久とシェアしよう」

「女子高生かよ…。じゃあ俺唐揚げカレーで」

「それだとシェア出来ないじゃん」

「何でシェアしたがるんだよ」

カラオケのフードだってシェアするでしょ?そんな感覚。

「まぁ良いや。じゃあ頼むか…」

実はネットカフェで食事なんて、長い人生で初めてである。

ちょっと楽しみ。

いやね?所詮ああいうところの食べ物なんて、カロリーだけ高いジャンクフードだって批判を受けることは分かってるんだよ。

でもね、だからこそ食べてみたいときって…あるじゃん?
< 99 / 669 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop