月の王子





 私には小学生の時から好きな人が居る。

 彼は小瀬良太という名前で、サッカー部に所属している。

 茶色い髪に茶色い目、明るいクラスのムードメーカー。
 小犬系男子という言い方がぴったりで、現在彼女持ちである。

 彼女持ち、なのだ。

 私は良太を影から見守っているだけ。
 
 できれば自分と付き合ってほしいが、それは夢のまた夢だ。

 私は友達の線を越えない会話を、毎日良太と楽しんでいた。




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