ひとりぼっちのラブソング


休日のある日、わたしはお互いの近況報告をする為に久しぶりに麻紀とランチに行った。
そして、わたしの話をすると、麻紀は大袈裟という程に驚いていた。

「えー?!会えたの?!あの、天音が高2のときに一目惚れしたってゆうおじさんに?!」

麻紀の言葉にわたしは「おじさんじゃないし!」と怒る。

「あー、ごめんごめん。でも、凄いね!よく見つけたね!」
「わたしも諦めかけてたんだけどさぁ、その時に歌声が聞こえてきて!それで見つけたの!それでさぁ、、、」

わたしが何かを言い掛けると、麻紀は「何?勿体ぶらないで言いなさいよ!」と耳を近付けてきた。

そして、わたしは小声で「"初めて"、、、もらってもらった。」と言ったのだ。

すると麻紀は「え?初めてって、、、?え?!ヤッたってこと?!」と大きな声で言い、わたしは慌てて人差し指を口に当て、「しーっ!」と言った。

麻紀も慌てて自分の口を押さえていたが、驚きを隠せずにいた。

「マジで言ってんの?!」
「うん、誕生日だからって、ワガママ聞いてくださいって、お願いしちゃった!」
「本当に惚れてるんだね、そのおじさん、、、じゃなくて、」
「凌さん!」
「あぁ、凌さんね。もう30代半ばとかでしょ?わたしは恋愛対象に入らないなぁ〜。」

麻紀がそう言うのも無理はない。
麻紀は今まで、同じ年か1つ年上の人としか付き合ったことがないからだ。

今の彼氏も同じ年らしい。

でも、わたしには凌さんしかいない。
凌さんのことしか考えられなくなっていた。

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