ひとりぼっちのラブソング
次の日、朝学校に登校すると、真っ先に親友の麻紀のところへ走って行った。
「麻紀ー!聞いて聞いて!」
わたしのあまりの勢いに、ちょっと引き気味の麻紀。
「何ぃ?朝から騒がしいよ、天音。」
「わたし、恋した!一目惚れ!」
「えっ?誰に?」
わたしは麻紀の席の隣につくと、「昨日ね、バイト帰りにギター弾き語りしてる人がいて、その人がめちゃくちゃカッコよくて!!!」とわたしは言った。
麻紀は呆れたように「また始まった。」と言い、そして「どうせ、また年上の人でしょ?」と続けた。
「んー、何歳なんだろ?20代後半か、、、30代前半とかかなぁ?」
「もうおじさんじゃん。天音のタイプは、ちょっと変わってるよね。サッカー部の宮崎先輩とかカッコいいと思わないの?」
「思わない。」
麻紀は机に頬杖をつくと、「宮崎先輩をカッコいいと思わない人、天音くらいだと思うよ。」と言った。
「ねぇ、今日の学校帰り付き合ってくれない?!また彼に会いたいの!」
「え〜。寒いのに寄り道したくないよ。」
「お願いー!お願い!ね?」
わたしの押しに負けた麻紀は、仕方なくオーケーしてくれ、学校が終わってから、昨日彼が弾き語りしていた場所まで付いてきてもらうことになった。