ひとりぼっちのラブソング

次の日、わたしはお昼頃に凌さんのお店へ向かった。

久しぶりに凌さんに会える!
その嬉しさから心が踊っていた。

そして、"open"の札が掛かるドアをドキドキしながら開ける。

中を覗くと、凌さんはいつもの場所に居た。

「明けましておめでとうございます!」
わたしはそう言いながら、店内へ入る。

凌さんはこちらを見て、わたしだと分かると「明けましておめでとう。」と返してくれた。

「年末年始は、ゆっくり過ごせましたか?」

わたしがそう訊くと、凌さんは「うん、ゆっくり過ごしてたよ。」と言った。

「実家に帰ったんですか?それとも自宅で?」
「ずっと自宅に居たよ。」
「もしかして、彼女と過ごしてたりして?」

わたしは少し不安になり、凌さんを試したような訊き方をしてしまった。

凌さんはわたしの言葉に「いや、一人でだよ。」と答えると、「俺はずっと一人で生きていくって決めてるから。」と少し切なそうな表情で言ったのだ。

「それは、、、美津希さんを忘れられないからですか?」
わたしがそう訊くと、凌さんは驚いた顔をしてこちらを見ると「何で美津希の名前を?」と言った。

わたしはすぐに、つい美津希さんの名前を口走ってしまったことを後悔した。

凌さんは黙るわたしを見ると「勇太から聞いたんだな。」と言い、寂しそうな表情を浮かべていた。

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