ひとりぼっちのラブソング

「俺には、女性を幸せにする力が無い。美津希を守ることも出来なかった俺には、もう恋人を作る資格はないんだ。」
「でも、美津希さんは病気だったんですよね?それは、凌さんのせいじゃないじゃないですか。」

わたしがそう言うと、凌さんは首を横に振り「俺がもう少し早く美津希の異変に気付いてあげられてれば、、、美津希はまだ生きていられたかもしれない。」と言うと、「俺は、、、美津希を守ってやれなかった、、、。」と悔いていた。

「凌さん、そんなに自分を責めないでください!凌さんのせいじゃないですよ!わたしじゃ、、、わたしじゃ、美津希さんの代わりにはならないかもしれないけど、側に居させてもらうのはダメですか?!前にも言ったこともあるかもしれませんが、、、わたし、凌さんのことが好きなんです!ずっと、、、ずっと、好きなんです!」

わたしの言葉に凌さんは背を向けると「天音ちゃんには、もっと素敵な男が現れるよ。俺なんかやめといた方がいい。」と言った。

しかし、わたしは諦められず「でも、わたしが好きなのは凌さんなんです!他の人なんて興味ありません!」と言ったが、凌さんは背を向けたままだった。

そして「天音ちゃん、もうここには来ないでくれ。」と凌さんは言ったのだ。

「えっ、、、それは、もう会いに来ちゃダメってことですか?」

わたしがそう訊くと、凌さんは「そうゆうことだ。」と言う。

「でも、、、!」
「いいから出て行ってくれ!」

初めて聞く凌さんの大きな声に驚くわたし。
そして、涙が溢れてきた。

わたしは完全にフラレてしまったんだ。

気付けば、わたしはお店を飛び出し、宛もなく寒空の下を泣きながら走っていた。

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