ひとりぼっちのラブソング

わたしは、その言葉が嬉しくて、何度も頷きながら「凌さんの側に居たいです。」と答えた。

凌さんはわたしの返事に微笑むと、「ありがとう。」と言って、わたしを抱き寄せた。

「わたし、健康だけが取り柄なんです。それに女は男の人より平均寿命が永いし、わたしは凌さんより年下だし、わたしは凌さんをひとりぼっちにすることはありません。凌さんが居てくれる限り、わたしは凌さんの側に居ます。」

わたしは涙声でそう言うと、凌さんを抱き締め返した。

ぽっかりと穴が空いて冷え切っていた心が、凌さんの温もりで埋まっていくのを感じる。

すると、凌さんはわたしにキスをして、わたしの頭を支えながら、そのままベッドに押し倒した。
そして、わたしの涙を親指で拭いながら、「今日は寝かせないよ?」と言う。

わたしは凌さんの言葉に「それ言われてみたかった。」と言うと、凌さんは笑い、わたしも笑った。

凌さんが笑ってる。
わたしはそれが何より嬉しかった。

それから、わたしたちは毛布に包まりながら、抱き締めあってキスをして、お互いを求め合った。

「天音、、、好きだよ。」

凌さんは果てるとき、わたしの耳元でそう囁き、そしてわたしをギュッと抱きしめた。

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