ひとりぼっちのラブソング


次の日、わたしは登校すると、真っ先に麻紀に昨日のことを報告した。

すると、麻紀は「まあ、確かに32歳が高校生相手にしたら犯罪だからね。」と冷静に言った。

「わたし、20歳になったら、凌さんに会いに行く!!!」

意気込むわたしの言葉に「はぁ?」と呆れ顔の麻紀は、「それフラレただけだって。」と続けた。

「違うよ!20歳になったら、会いに来いって言ってくれたもん!」
「それがフラレたっていうの。そんなおじさん諦めなよ。」
「おじさんじゃないよ!凌さん、カッコいいんだから!」
「それに、会いに来いってどこに居るか分かってるの?」

麻紀の言葉に「あっ、、、」と固まるわたし。

そうだ、どこに会いに行けばいいのか聞き忘れてた!

わたしの反応に「やっぱりフラレたんだよ。天音、切り替えな。」と言う麻紀は、次に自分の好きな宮崎先輩の話をし始めた。

しかし、麻紀の話が全然耳に入ってこない。

でも、わたしは諦める気になれなかった。
20歳になったら、絶対凌さんに会いに行く。

それをずっと心の奥にしまい、わたしは高校生活を過ごしたのだった。

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