ひとりぼっちのラブソング
わたしは高校を卒業したあと、家具やインテリアを取り扱う会社に就職した。
麻紀はというと、大学に進学し、大学生活を満喫しているようだ。
わたしはあれからずっと、凌さんのことを想い続けていた。
20歳になったら、絶対に会いに行く。
それを毎日の仕事の活力にしていたのだ。
そして、わたしは毎年のあの季節。
凌さんと出会った季節のあの時間帯、あの場所を訪れてみたが、毎年凌さんの姿はなかった。
今、どこで何をしているんだろう。
早く会いたい。
凌さんが弾き語りをしていたあの場所を見るたびに、凌さんへの想いが募るのだった。
そして、いよいよ今日が20歳を迎えるわたしの誕生日。
わたしはこの日、有給を使い、仕事を休ませてもらった。
今日でわたしは20歳だ。
凌さんに会ってもいいんだよね?
会ってもらえるんだよね?
わたしはまず、凌さんの歌を聴きに通ったあの場所へ行った。
しかし、凌さんの姿はない。
そのあと、凌さんがいつも帰って行った方向を歩き、探し回った。
宛もなく歩き回り、疲れたわたしは空を見上げた。
すると、雪がチラチラと降り始めた。
わたし、何やってるんだろう。
どこに居るかもわからない人を宛もなく探して、馬鹿みたい。
麻紀に言われた通り、わたしはフラレたんだ。
分かってはいたけど、そう思いたくなかった。
そう思った時だった―――――