最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる
ガチャ
「え………」
必死に考えていると、突然向こうの扉が音を立てて開いた。
咄嗟に身構えるように、布団を寄せる。
「起きた?」
「ひっ……」
突然、向こう側の扉が開き入ってきたのは…ロングコートとに身を包み、マスクをつけた男の人。
そしてその上にある紅い目。
…あの時、助けてくれた男の人だった。
外出していたのか、手にはビニール袋を下げている。
「なんで、貴方が…?す、すみません…私、これ…どういう状況ですか?」
「ああ…ごめんびっくりさせたよね。」
何てことないようにニコリと優しく笑うと、近くの机に袋を置いた。
「君、あのまま威圧のせいで気を失っちゃってね。病院に行ってもどうしようもないし。どうしようかってあの女の子と話したら…まあ保護っていう形で俺の家に連れてくることになった。」
「ああ…それは……ありがとうございます…?」
「本当にごめん。いきなり男の人の家に連れてこられても嫌だよね。二人とも外せない用事があってね。これしか方法がなくて。」
「この鎖は?」
「俺が出かけている間、起きて動き回られたら困るから。一応つけておいたんだ。まあ玩具だから。外そうと思えばすぐ外せるよ。」