最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる
喰んだ初恋
「そう。」
「あの柊くん!?」
「うん。あの柊くん。」
まさかこんな形で再会するなんて…
本当に柊くんなの?
それに柊くんは私にとって…
「まあ、顔隠してたし気づかなくて当然だ。」
確かに声が彼そのものだ。
ずっと変わらない、低くて落ち着く声。
「柊くんの目って…」
疑問に思うのは彼の目だ。
三年前に会ったときには真っ黒であったはずの目の色が、今ではルビーみたいに綺麗な赤がかった色だ。
ヴァンパイアだと言うことは知っていたけれど、もしかして…
「ああ…前は特殊なカラコンで隠していたけど、ほんとの色はこの色。高貴とか言われるけど、血が濃いヴァンパイアってことだよ。」
「そうなんだ…」
驚きすぎて、もう何て返したら良いか分からない。
ネットとかテレビでしか見たことない。ヴァンパイアの中でも飛び抜けて能力が高いヴァンパイアはその血が濃いと言われ、瞳が赤色に近くなるらしい。
「じゃあ柊くんも実は偉い人なの?」
「白(つくも)ホールディングスの社長の息子ではあるかな。」
「…御曹司じゃん!」
白ホールディングスの名前を聞いたことない人はいない。家電やパソコンなどの電気機器から小物まで、幅広い分野に手を伸ばす大企業だ。
私今まで、こんな企業の御曹司に学校の話とか勉強の話とかしてたんだ……
頭が痛くなってくる…