最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる
「つむぎ。」
彼はこちらに向き、目がぱちりと会った。
蕩けるような、どろりとした赤い目がそこにあった。
……こわい
そんなわけない。はずなのにそう思ってしまい、変な汗が出る。
「お水もう大丈夫?危ないからこっちおいとくね。」
「ありがとう…うん大丈夫。」
私の手からコップを取る。
あの頃と変わらない、大きな手だった。
そう…何考えてるんだ私…怖いなんてそんな。
「ひゃっ、」
「でもまた会えてよかった。」
ベッドの縁に腰掛けた彼の反対の手が私の頬に添えられる。
目…本当に綺麗……すごい、かっこいい…
あの頃の柊くんもマスクとパーカーの下はずっと…
薄らと冬の花みたいな美しさで彼が微笑む。
でも、やっぱりどこか違和感がある。
その瞳から逃げられないように、まるで囚われるような
そこまで考えて、我に帰った。
少し強引にこの大きな手を引き剥がす。
「い、いきなり、どうし…うわっ……」