最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる


ぽんと肩が押されて、ベッドに寝転ぶような体制になる。視界が彼いっぱいになった。
 

お、おおお押し倒された!?


私の手を絡めとるように両手を1つの手で拘束する。


「………っ」


至近距離で見る紅い目は、甘いなんて生やさしい言葉では表せないほどに、ドロドロしていていた。



「ひ、柊くん?」



何だかやっぱり様子がおかしい。

あんなに紳士的だった彼が、自分の部屋に女の子を連れ込むだけでなく、押し倒すなんて…



「つむぎ、




「つむぎに、お願いがあるんだけど…」


「うん」



「俺と付き合ってほしい」



「え?」


「うん。」




付き合う?

今、この人、付き合っほしいって言った?



「今、付き合ってほしいって…恋愛的にですか?」


「うん。」


視点が定まらないぐらい、混乱する。

予期しないことが続きすぎて頭が一周回って冷静になっている。

何言ってるんだ?



「だめかな?」


「普通にだめだと思うけど……」



いきなり再開して、いきなり告白…

そんなの怪しすぎるでしょ…

…まさか私を彼女にして悪いことしようとしてる?


ヴァンパイアでもない、ふつうの女子高生に?


「そっか。」


体が少し退かれ、手首の拘束も緩んで、だいぶ楽になった。

おそるおそる彼の顔を見る。
 

怒っているわけでも、すごく悲しんでいるわけでもない。

ちょっと寂しげな目はしているけど、形のいい唇を少しあげて、微笑んでいた。

なんだ、冗談だったのかな…


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