最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる
「うん…」
動かない頭で思い出すその記憶は、2年たった今でも、ずっと忘れられない。
景色だって色だって、声だって…鮮明に思い出せてしまうほど、苦い記憶だった。
「そう……よかった。」
安心した声で言う彼は、一度顔を離してくれた。
相変わらず、身体は熱いけれど距離ができたことで、少し落ち着く。
でもなんでこんなこと聞いたんだろう…
「あの日、つむぎは眠ってしまったんじゃない。…ヴァンパイア化したんだ。」
「え?」
半歩遅れで、頭が意味を理解しても、未だに納得できなかった。
ヴァンパイア化?私が?
「身体が体液を求めてるだろ?」
「そんな…ヴァンパイアが欲しいのは体液は体液でも……血でしょ?」
「それは、つむぎが恋慕のヴァンパイアだから。」