最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる
幻想的にまどから差し込む月の光も、夜の薄暗さだだって、彼を引き立たたせる一部になった。
目線を一ミリだって、この綺麗な人から動かすことは出来なかった。
「ひゃっ……」
遂に唇がくっついて、ふにっと柔らかい感触は彼がキスした証。
……王子様みたい…
まるで物語の1ページだ。
自分がお姫様にでもなったみたいに錯覚してしまう。
握りしめたはずの手は彼の一回りも二回りも大きな手にさすられるように優しく撫でられて、とっくに力なんて入っていなかった。
「俺と付き合ってほしい。」
夜を溶かしてしまう、甘い声。
「……良いの?本当に…柊くんにあまり得はないように感じるけど…」
「得?」