最強ヴァンパイアに囚われて溺愛、溶かされる
「くくっ……」
喉の奥で笑われる。その拍子に、さらりと前髪が一束垂れた。その向こうに覗く目が一層、嬉しそうに細められる。
「俺はこの二年間、ずっと、ずーと、ずうっとつむぎに会いたくて、話したくて、抱きしめたくて仕方なかった。常に何をしているか気になったし、君に男がいないか心配でどうにかなりそうだった。早く俺の物にしたかった。…それが叶うんだ。」
…この言葉が昔ならどれだけ嬉しかったか。鼻の奥がツンとして痛くなる。泣きたくなくて、唇を噛んで涙は堪えた。
そんな力を解かせるためか。ぎゅっと強引に頬を鷲掴みにされる。
本能が、逃げろと叫ぶけれど、震えることしか出来ない。
「つむぎを骨の随まで、どろどろに愛してあげる。」
心底愛おしむようにして、優しく笑み。
下がった眉と垂れた目。絶対的支配者の余裕の表情だった。
「もう絶対に逃がさない。」
重なり合った唇は、熱くて甘い味がした。それこそ、どうにかなってしまいそうなほどに。
こじ開けられた口に舌が入ってきて、絡みあう。ああ…砂糖なんて比べ物にならないぐらい甘ったるい。でも、これで満たされてしまう。
もう、どうしようもない。私の初恋が彼を喰んだ。