【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「そういえば、君の名前はなんて言うの?」

「教える訳ないじゃないですか!」

「あはは、手厳しいな」

時哉さんは手厳しいと言いながらも、気にしている様子は全くなかった。

むしろ何も気にせずに歩く足をそのまま止めない。



「あの!本当にちょっと待って下さい!」



私が何とか足に力を入れて止まると、時哉さんは私の方を振り返った。

「どうしたの?」

「どうしたのって……まず、どこに行くんですか! それに留守電で断りの連絡を入れたはずです!」

「留守電?」

時哉さんがそう言って、スマホを取り出して確認している。
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