【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「駅までです……」

「え?」

「駅まで一緒に戻りましょう……?」

震えた声でそう言ってしまった私の言葉に時哉さんの表情がすぐに明るくなる。

「本当にいいの?」

「いいって言っても、時哉さんが私の手を引っ張って歩いてきた分だけだから、駅に戻るまで歩いて1分位ですよ」

「十分嬉しいけど」

簡単に「十分嬉しい」と言う時哉さんはやっぱり甘くて。

駅までの1分は短いはずなのに、どこか長く感じてしまう。

1分なんて何か会話をする訳ではないのに。

それでも、どこか長く感じても、駅に着いてしまえば「解散」以外の選択肢はなくて。

だから……だから、きっと私はちょっとだけ「寂しい」と思ってしまった。

また会いたい、と思ってしまった。

メモ用紙を取り出して、何かを走り書きのように書いていく。
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