【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
お互いに渡したたった二枚のメモ用紙からの繋がり。
それでも、そんなメモ用紙を渡したのも渡されたのも初めてだった。
「じゃあ、そろそろ私は帰りますね」
そう言って、別れようとした私の腕を時哉さんが何故か掴んだ。
「時哉さん?」
「さっきの新幹線で、寝ている俺の横で漫画を読んでいる奏葉は本当に楽しそうだったんだ。それなのに、どこかで大きな音がすると、そーっと俺の顔を見て、起きていないか確認する。ただの隣の席になっただけのやつに」
「眠りが浅い俺はあまり疲れが取れないことが多いのに、君のその姿を見ているだけで疲れが取れたんだ。『もっとこの子を見ていたい』と思った。だから……」
「『君しかいない』は本心だよ。心の底から。君が見ていたような漫画の中の格好良いヒーローにはなれないかもしれない。でも……俺をヒーローにさせて」
そう言った時哉さんの顔はどこか赤くて、恥ずかしそうに私の手を離した。
その後、私は今日泊まるホテルに戻ったのにどこかまだ顔が熱くて。
時哉さんの熱が移ったのかもしれないと思ってしまった私は、きっともうこの溺愛の始まりから逃げられない。
それでも、そんなメモ用紙を渡したのも渡されたのも初めてだった。
「じゃあ、そろそろ私は帰りますね」
そう言って、別れようとした私の腕を時哉さんが何故か掴んだ。
「時哉さん?」
「さっきの新幹線で、寝ている俺の横で漫画を読んでいる奏葉は本当に楽しそうだったんだ。それなのに、どこかで大きな音がすると、そーっと俺の顔を見て、起きていないか確認する。ただの隣の席になっただけのやつに」
「眠りが浅い俺はあまり疲れが取れないことが多いのに、君のその姿を見ているだけで疲れが取れたんだ。『もっとこの子を見ていたい』と思った。だから……」
「『君しかいない』は本心だよ。心の底から。君が見ていたような漫画の中の格好良いヒーローにはなれないかもしれない。でも……俺をヒーローにさせて」
そう言った時哉さんの顔はどこか赤くて、恥ずかしそうに私の手を離した。
その後、私は今日泊まるホテルに戻ったのにどこかまだ顔が熱くて。
時哉さんの熱が移ったのかもしれないと思ってしまった私は、きっともうこの溺愛の始まりから逃げられない。